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■登録日 2024年1月4日  


建設業の生産性と魅力向上へ 建設RXコンソーシアム

▲写真は村上陸太氏▲コンクリート床仕上げ機▲遠隔操作システムのコックピット

 建設業の生産性と仕事の魅力の向上に向け、建築現場で使うロボットや、IoT関連アプリなど施工支援ツールの開発に、建設会社や関連企業が連携して取り組む建設RX(ロボティクス・トランスフォーメーション)コンソーシアムが2021年9月に発足し、2年余りが経過した。これまでの成果や今後の展開を、コンソーシアムの会長を務める村上陸太・竹中工務店常務執行役員に聞いた。

 ―ゼネコン16社の正会員でスタートしたコンソーシアムの構成員が11月2日現在、正会員29社、協力会員205社に拡大しました。

 「建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)と言われても、建設会社によっては、どうやっていいか分からない部分もあったのではないか。そういった会社では、例えばDXの一歩手前のデジタライゼーションまでは取り組みたいと考えていた。そんな時に、建設会社が集まって最新技術を比較したり、一緒に改良・開発に取り組んだりする組織として建設RXコンソーシアムが誕生した。これに参加しないと乗り遅れるという危機感もあり、会員の拡大につながった」

◇協力会員200社超へ◇

 ―レンタル会社やメーカー、ITベンダーをはじめ、正会員以外の建設会社が参加する協力会員は、最初はゼロでしたが、日を追うように会員数が増え、200社を超えました。

 「協力会員は、自社で開発した技術を正会員29社に一度にプレゼンテーションし、ニーズも把握できる。そこで認められれば、多くの現場で使ってもらえることになる。プラットフォームをつくるIT企業にすると、広く建設業界で使われる大きなシステム開発につながる。そんなメリットが協力会員の拡大につながった。当初は予想していなかったが、保険会社や物流会社も参加している。ロボットを使う場合の保険や、建設現場にモノを運び込む物流システムも課題になる」

 ―お互いにライバルでもある建設会社が、ロボット開発などで連携する意義について、改めてお考えをお聞きします。

 「建築は全て一品生産であり、同じ建築物は二度と造らない。デジタル技術やロボット技術を共有しても、同じものを造るわけではない。そこにロボットなどを共同開発する意義が生まれる。いわば、誰にとっても使いやすいのこぎりを開発しているようなものであり、そののこぎりを使って造る建築物は全て違う。その違いにおいて、建設会社としてお互いに競争することになる」

 ―コンソーシアムでは現在、12の分科会を設置して技術開発や、市販ツールの活用の検討などを行っていますね。これまでの取り組みの成果はいかがですか。

 「コンクリート系ロボット分科会がこれまでに、CO2の排出削減と生産性向上に効果の高いコンクリート床の仕上げ機械『防音カバー付き電動ハンドトロウェル』を開発した。コンソーシアムの分会活動の中で誕生したロボットとしてはこれが第1号になる」

 「一方、コンソーシアムの設立以前から始まっていた技術の開発と活用が大きく前進したケースもある。例えばタワークレーンの遠隔操作システムは、竹中工務店と鹿島とで共同開発していたものだが、タワークレーン遠隔操作分科会を通じて活用する会社が拡大している」

◇取り払われた障壁◇

 「また、他社が開発した機材であっても、リース会社でレンタルしているものであれば以前から使えたのだが、われわれ建設会社の技術のトップには、他社が開発した技術を自社で使わせない雰囲気が昔からあった。コンソーシアムの中で、他社が開発した技術でも積極的に使っていこうということになって、昔からの〝障壁〟が取り払われた。他社が開発したものであっても現場の特性に合わせて選択し、自由に使えるようになった」

 ―既存の製品の改良にも取り組んでいますね。

 「相互利用可能なロボット分科会で、既にレンタル会社を通して使われている製品を含め、各社が開発したロボットや機械の改良について意見を出し合っている」

 「メーカーにとっても、コンソーシアムから改良を求められれば、多くの現場で使われるということであり、対応してもらいやすい。特にデジタルコンテンツは、利用が拡大すれば価格の低下にもつながる」

◇熟練の技をサポート◇

 ―コンソーシアムをスタートして見えてきた課題はありますか。

 「当初は、人の労力を7~8割減らせる、鉄腕アトムのようなロボットを開発したいという思いもあったが、全ての会社で使えるものにしようとすると難しい。現状では、運搬や清掃、墨出しなど単純作業をこなすロボットの開発が中心になっている。もっとも、建築の現場では、熟練の技を身に付けたが職人が手掛けた方が効率的な作業がまだまだ多い。そういった仕事に職人が集中できるよう、材料の運搬や清掃などをロボットが行う。現場でかけられる予算にも限界がある。ステップバイステップで開発を進めていく必要がある」

 「また、建設業の技術者は課題解決の方法を考えることは得意であっても、その成果をビジネスとしてどう展開すべきか分からない。例えば、開発したロボットの必要数をレンタル会社から聞かれても、自社については答えられても、業界全体については答えられない。協力会員には商社なども参加しており、知恵を借りていきたい。ロボットの初期設定やメンテナンスなどのサービス体制の構築なども課題になる」

◇求めらる思考の転換◇

 ―今後のロボット活用拡大の鍵をどうみていますか。

 「現場の職員など関係者の考え方が変わることが重要だ。建物の設計やデザインにも踏み込んでいく必要がある。人が手をかける前提で設計した建築工事にロボットを導入しても、工期が大幅に短縮することはない。ロボットを使うことを前提に設計や施工計画を検討していかなければならない。こういった考え方の切り替えをコンソーシアムが発信していく必要があるとも考えている」


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