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■登録日 2022年8月24日  


地域建設業のグリーン戦略 トップランナーフォーラム⑦

循環型アスパラ栽培と地方創生/幌村建設(北海道)

▲発表する幌村氏

 北海道の新ひだか町に本社を構える幌村建設の幌村佑規副社長は、グループ会社である農業生産法人ファームホロで展開する循環型農業や、自身が所属する三石アイヌ協会が実施するアイヌ文化の伝承活動を発表した。

 ファームホロは2005年に創業。ハウスを85棟設け、デルフィニウムやスターチスなど草花のほかにアスパラガスを生産しホテルやレストラン、空港に卸すほか、各地で開かれる北海道フェアにも出品している。

 循環型農業は、家畜の排泄物を堆肥に再利用しその堆肥を使った農地で農産物を育て家畜の飼料にするなど、地域で資源を循環して廃棄物を抑制させる農業だ。

 同社は、創業当時こそ一般的な牛ふん堆肥を使っていた。しかし、北海道日高地域は全国有数の軽種馬生産地。軽種馬が食べる牧草は有機で育成されているため、その馬のふんを使えば土壌が肥沃になることが期待でき、他の農家との差別化も見込まれた。

 そこで地域内の生産農家3―5件から馬ふんを年間300㌧無償でもらい、3年間熟成させ堆肥として使用することにした。この完熟堆肥によってアスパラガスは糖度が12度と一般のものより上昇。多くのお客から支持を集めることができた。

 また、アスパラガスの出荷時に長さをそろえるためにカットする「切り下」と呼ばれる部分は廃棄され、その量は収穫量の約4割に上っていた。現在はコロナ禍の影響を受け休止しているが、切り下の有効活用策として以前は道内のメーカーに販売。アスパラガスに含まれる有効成分を抽出、濃縮して機能性食品を生産し、健康食品の原材料として取り引きされていた。

 幌村副社長が所属する三石アイヌ協会では自然共生の地域づくりに取り組んでいる。カムイ(神)への供物であり、祈りに際して贈り物や神霊のより代の役割を果たす「イナウ」という木幣を作成。初秋に海から川へ遡上(そじょう)するサケを捕獲しカムイに感謝の祈りを捧げる儀式「アシリチェプノミ」や、アイヌ民族の伝統的な先祖供養「イチャルパ」も執り行っている。

 このほか地域の小学校の児童に対しアイヌ文化を啓発する体験教室を開いている。アイヌ料理の調理実習のほか、サケ漁用のもりによる採捕体験をさせた後、捕ったサケの皮をはぎ、「チェプケリ」と呼ばれる靴を作成した。

 幌村副社長は循環型農業について「切り下の活用方法で問題点や改善点はあるが、関係各位と協力、連携しながら廃棄物をリサイクルできるように継続していたい」と思いを話した。アイヌ協会の活動に関しても「アイヌ文化の活動や伝承を多くの人に伝えることで地域創成の一助になれるよう取り組む」と決意を述べた。(地方建設専門紙の会・北海道建設新聞社)


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