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■登録日 2022年1月4日  


今後発注が予定されている県内の大型土木プロジェクト


 今後発注が予定されている県内の主な土木プロジェクトについて、各事業の整備内容や進捗状況等をまとめた。
 国土交通省は「東九州道清武JCT~北郷」「日南・志布志道路」「油津・夏井道路」「五ヶ瀬高千穂道路」「蘇陽五ヶ瀬道路」「高千穂雲海橋道路」「都城道路Ⅱ期」「日南防災(北区間)」「同(南区間)」といった道路事業のほか、一級水系の河川改修事業や岩瀬ダム再生事業、大淀川水系砂防事業、港湾事業などを推進する。
 宮崎県は「学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)」「木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)」「国道448号石波工区(串間土木事務所)」「高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)」「東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)」「竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)」などの道路事業を推進する。

◆ 東九州自動車道清武JCT~北郷(国土交通省)

 清武JCT~北郷間は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。新直轄事業方式で国土交通省が整備を担当する。全体事業費は1,622億円。20年度末時点の事業進捗率は、事業費ベースで約88%、用地ベースで100%。
 12年に清武JCT~清武南IC(1.2㎞)が開通し、残る延長17.8㎞も全区間が着工済。区間内には橋梁14橋やトンネル12本を整備する。トンネルの非常用設備・付属物工等を除き、大型構造物が概ね完成し、本線土工部も全区間で着手している。
 区間内のトンネルや橋梁上部工が概ね完了するなど、大規模構造物の工事工程に目処が立ったことに加え、芳ノ元トンネル周辺の地すべり対策の実施に伴い、変位が収束傾向にあることなどから、順調に進捗した場合、22年度に開通する見通し。

◆ 国道220号日南・志布志道路(国土交通省)

 東九州道の一部を構成する国道220号日南~志布志間は、日南市と志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。区間内の一部として、日南東郷IC~油津ICの日南区間(延長3.2㎞)と夏井IC~志布志ICの志布志区間(同3.7㎞)が16年度に事業化された。
 全体事業費は約319億円で、工事概算数量は▽土工約116万m3▽軟弱地盤改良工1万4,284m3▽法面工約15万m2▽橋梁工12箇所▽ダイヤモンド型IC2箇所▽舗装工7万2,759m2―など。20年度末時点の進捗率は、用地ベースで約61%、事業費ベースで約21%。
 日南油津大橋は、支持層が想定よりも深いことや橋梁架設に伴う工業用排水路への振動の影響を考慮し、橋梁形式を鋼6径間連続鈑桁橋から鋼4径間連続鋼床版箱桁橋に変更する。21年度は調査設計や用地買収、道路改良工及び橋梁下部工等を推進する。

◆ 国道220号油津・夏井道路(国土交通省)

 東九州自動車道の一部を構成する国道220号日南~志布志間のうち、日南市平野~南郷町中村甲の油津区間(延長6.4㎞)と、串間市串間~志布志市志布志町の串間・夏井区間(延長14.1㎞、県内区間は約9.7㎞)の2区間。いずれも19年度に事業化された。
 当初計画の全体事業費は約750億円だったが、ハーフICとしていた奈留IC及び夏井ICをフルIC化に変更することに伴い、事業費を約21億円増額して、全体事業費を約771億円とする。事業進捗率は、事業費ベースで約0.3%、用地ベースで0%。
 計画見直し後の工事概算数量は、土工約674万m3(切土278万m3、盛土351万m3外)、法面工約64万m2、函渠工2,266m、排水工1万7,734m、中央分離帯工1万6,588m、橋梁13橋(100m以上3橋、100m未満10橋)、跨道橋10橋、トンネル3箇所(総延長2,817m)、ダイヤモンド型IC4箇所、車道舗装約18万m2など。
 21年度は用地調査や地質調査、橋梁予備設計及び道路構造物詳細設計、用地買収等を推進する。

◆ 国道218号蘇陽五ヶ瀬道路(国土交通省)

 九州中央自動車道の一部を形成する国道218号蘇陽五ヶ瀬道路は、熊本県の山都町塩原を起点、本県の五ヶ瀬町三ヶ所を終点とする延長7.9㎞の2車線道路。両県の県境部に位置し、信頼性の高い高速ネットワークの形成や、走行性・安全性の向上に伴う物流効率化、移動時間短縮に伴う観光振興の支援等を目標に掲げる。
 主要構造物として、本県側に橋梁3箇所(橋長260m、同60m、同220m)とトンネル2箇所(延長250m、同240m)、熊本県側に橋梁2箇所(橋長230m、同50m)とトンネル1箇所(延長400m)を計画し、インターチェンジ3箇所を整備する。全体事業費は約320億円。
 20年度に新規事業化され、11月23日に中心杭打ち式を開催し、路線の本格的な整備に着手した。20年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで0%、事業費ベースで約1%。21年度は地質調査や道路予備設計等を推進する。

◆ 国道218号五ヶ瀬高千穂道路(国土交通省)

 九州中央自動車道の一部を形成する国道218号五ヶ瀬高千穂道路は、五ヶ瀬東ICを起点、高千穂ICを終点とする延長9.2㎞の自動車専用道路。防災機能の強化や緊急医療活動の支援、東九州自動車道などの高速道路網と一体となった広域観光ルートの形成による観光振興支援などの効果を期待し、18年度に事業化された。
 主要構造物として、橋梁やトンネル、インターチェンジ2箇所などを計画。橋梁は、100m以上の長大橋が5橋、100m未満の中小橋が4橋、跨道橋が1橋。トンネル4箇所の延長は、2,430m、350m、1,050m、770mと想定。起点と終点にICを設ける。
 全体事業費は約470億円で、20年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約7%、事業費ベースで約4%。21年度は、用地調査や用地買収、橋梁及びトンネル部の地質調査、橋梁予備・詳細設計、トンネル詳細設計等を推進する。

◆ 国道218号高千穂雲海橋道路(国土交通省)

 高千穂雲海橋道路は、五ヶ瀬高千穂道路の終点にあたる高千穂IC(仮称)と、今年度に開通した高千穂日之影道路の起点にあたる雲海橋交差点を結ぶ区間。現道は線形が厳しい箇所が連続するなど走行性が低く、こうした課題箇所や事故多発箇所を回避し、災害時の支援道路として信頼性の高い高速ネットワークを確保する。
 計画延長は、高千穂町大字三田井~日之影町大字七折の3.3㎞。第1種第3級の2車線道路(設計速度80㎞/時)とし、計画交通量は1日あたり約1万1,100台を見込む。区間内に整備するトンネル部分の延長は1,720mで、橋梁の新設(206m)や土工(約1.4㎞)を実施する方針。全体事業費は約160億円を見込む。
 21年度に新規事業化され、道路整備の基準となる測量作業に着手するにあたり、1月15日に中心杭打ち式を開催する。

◆ 国道10号都城道路Ⅱ期(国土交通省)

 国道10号都城道路Ⅱ期は、高規格道路「都城志布志道路」の一部として、都城IC~志布志港を結ぶ広域ネットワークを形成するとともに、都城市街地の交通混雑緩和等を目的として、国交省が整備を進めている完成4車線の自動車専用道路。
 計画延長は、都城ICから高木IC~都北IC~乙房IC(いずれも仮称)までの5.7㎞。07年度に事業化し、12年度に用地買収、16年度に都北IC~乙房ICの工事に着手した。20年度末時点の進捗率は、用地ベースで約99%、事業費ベースで約58%。
 昨年度まで約258億円としていた全体事業費は、①軟弱地盤対策に伴う地盤改良の追加②液状化対策に伴う地盤改良の追加③盛土法尻への基盤排水層等の追加④橋梁下部工の施工方法変更ーに伴い約98億円を増額し、変更後の事業費を約356億円とする。
 変更後の残事業費は約163億円で、内訳は▽土工(44万6,202m3)9・3億円▽軟弱地盤改良工(7万9,702m3)39・7億円▽法面工(2万3,378m2)3・5億円▽擁壁工4・5億円▽管渠工6・3億円▽函渠工22億円▽排水工9・1億円▽橋梁工(長大橋1橋、中小橋6橋、跨道橋1橋、跨線橋1橋)38・1億円▽車道舗装工(11万7,637m2)11・6億円―など。

◆ 国道220号日南防災(北区間)(国土交通省)

 大雨等の異常気象時に通行規制の対象となる国道220号の宮崎市内海~日南市富土区間を、一部現道を活用してバイパスで整備する。整備延長は2.6㎞で、幅員は10.5m(2車線)。全体事業費は約95億円を見込む。20年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約69%、事業費ベースで約64%となっている。
 区間内の鶯巣地区と伊比井地区に、土砂崩れの危険性が高い箇所を回避するためのトンネル(鶯巣地区882m、伊比井地区724m)を整備する。伊比井潮風トンネルを含む伊比井地区(0.9㎞)は20年4月に開通。21年度は、鶯巣地区の用地買収、調査設計、支障物件移設補償、道路改良工事などを進める。

◆ 国道220号日南防災(南区間)(国土交通省)

 国道220号日南防災は、降雨等による異常気象時通行規制や土砂災害時の通行止めで発生する沿線集落の孤立や迂回の解消を目的として整備するもの。災害時の救急活動等に機能する信頼性の高い道路ネットワークを形成する。
 20年度に新規事業化された南区間は、特に対策が急がれる宮浦遮断機付近から新鵜戸トンネルまでの区間(日南市宮浦字鳥越~松ケ迫)をバイパス方式でで整備する。整備延長は約1.7㎞で、全体事業費は約80億円。区間内には橋梁やトンネルを整備する。
 20年11月に中心杭打ち式を開催し、路線の本格的な整備に着手した。20年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで0%、事業費ベースで約1%。21年度は、地質調査や用地調査等を推進する。

◆ 国道10号住吉道路(国土交通省)

宮崎市北部に位置する住吉道路は、県東部を縦貫する国道10号の一部で、佐土原バイパスと宮崎北バイパスに挟まれた2車線区間。交通容量や安全性の確保、災害時や救急搬送時における信頼性の向上、移動速達性の確保を図るため、国は国道10号の西側(山側)に4車線のバイパスを整備する対応方針を決めている。
 国道10号西側にバイパスを整備する場合、対象区間は概ね田畑や山地で、道路整備により自然環境の改変を伴うが、生活環境への影響は小さく、家屋や店舗移転等の件数も少ないという。整備延長は約6㎞で、概算整備費は約380~430億円を見込む。
 こうした道路計画案を踏まえ、事業を所管する国土交通省は20年7月、環境影響評価方法書の事業者案を宮崎県に提出。県は、21年9月~10月に住吉通線外3路線に関する都市計画変更案と環境影響評価準備書の縦覧を実施した。

◆ 大淀川岩瀬ダム再生(国土交通省)

 頻発する渇水や洪水が企業等の生産活動に及ぼすリスクを早期に軽減するため、既設ダムの貯水能力を最大限活用することが有効であることから、ダム再生ビジョンの内容を踏まえ、既設ダムを最大限に活用したソフト・ハード対策を戦略的・計画的に進め、利水・治水両面にわたる効果を早期に発揮させる。
 本県の岩瀬ダム再生事業(小林市・都城市)では、洪水期に於ける既設ダムの発電容量及び死水容量を洪水調節容量に振り替えることで、洪水調節容量を現行の約3,500万m3から約5,000万m3に増大させるとともに、容量振替分に対応できる放流設備の増設等を行うことにより、下流域の治水機能の向上を図る。
 全体事業費は約500億円。21年度は地質調査や増設放流設備構造検討等を推進する。

◆ 大淀川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川大淀川の直轄管理区間(L=86.1㎞)に於いて、築堤や浸透対策、護岸整備等を実施すると共に、水防災意識社会再構築に関する取り組みとして、越水時に堤防決壊までの時間を引き延ばすための危機管理型ハード対策等に取り組む。全体事業費は606億円。
 当面の整備予定箇所は、▽津屋原沼地区津波高潮対策=築堤約1,000mほか▽宮崎市街部(宮崎大橋上流部)低水路掘削=掘削量約12万m3▽宮崎市街部(橘橋上流部)低水路掘削=掘削量約22万m3、高岡地区堤防整備(延長約350m)▽大岩田地区の遊水池整備ーなど。

◆ 五ヶ瀬川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川五ヶ瀬川の直轄管理区間(L=28.5㎞)に於いて、河道掘削や築堤、浸透対策などを実施する。昨年度まで295億円としていた全体事業費は、五ヶ瀬川・大瀬川の分派対策として約61億円、防災関連施設の整備費として約14億円、消費税変更分として約8億円をそれぞれ増額し、変更後の全体事業費を約378億円とする。
 分派対策では、岩熊大橋付近~南方古墳群付近の約1.3㎞で、既設堤防を堤内地側に最大で40m程度移動させる引堤等を計画。これに伴う築堤や道路整備、用水路の付け替えに取り組む。このほか、▽樋門・樋管4基▽サイフォン・分水工1基▽河道掘削約60万m3▽用地買収▽家屋移転―などを行う予定でいる。
 当面の間(22~26年度)に実施する整備に関しては、五ヶ瀬川・大瀬川の洪水適正分派対策のほか、地震・津波対策や防災関連施設、住民避難に活用できる堤防整備を挙げる。27年度以降も、五ヶ瀬川・大瀬川の洪水適正分派対策を継続するとともに、五ヶ瀬川河口処理対策を実施する予定でいる。

◆ 小丸川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川小丸川の直轄管理区間(L=12.7㎞)に於いて、河道掘削や堤防整備、内水対策、堤防強化対策などを実施する。このうち宮越排水機場の整備に際して、新たに杭基礎が必要となったことから、これまで約9億円としていた事業費に約2億円を増額。全体事業費は消費税率の増額分(約2億円)と合わせて約45億円となる。
 事業の進捗に関しては、これまでに川田地区や高城橋付近、北山地区の河道掘削、小丸川下流の堤防質的整備を実施済み。当面の間は、宮越地区の内水対策を推進するとともに、今後概ね20年間で蚊口浦地区や上江地区、北山地区の築堤整備、蚊口・持田地区及び小丸川中流の堤防質的整備を行う予定でいる

◆ 大淀川水系直轄砂防事業(国土交通省)

 豪雨時に発生する山腹崩壊や土石流等に起因する災害から流域住民の生命や財産を守るため、高崎川流域と庄内川上流域において整備対象土砂量約150万m3を目標に砂防堰堤等を整備する。流域面積は2,230km2、全体事業費は541億円を見込む。
 21年度は、祓川S32砂防堰堤(23年度完成予定)、古江川2砂防堰堤(22年度完成予定)、矢岳第3砂防堰堤(21年度完成予定)、矢岳第6砂防堰堤(21年度完成予定)、砂防設備設計、用地取得(1.9㌶)等を推進する。

◆ 細島港外港地区南沖防波堤(国土交通省)

 県北開発の拠点として重要な役割を担う細島港に於いて、入出港船舶の安全を確保し、港内の静穏並びに荒天時における施設の防護を図るとともに、荷役作業の効率性及び安全性を向上させるため、外港地区に防波堤(南沖)を整備する。
 南沖防波堤の整備延長は600mで、全体事業費は618億円。年次的にケーソンや消波ブロックの製作・据付工事、上部コンクリート工事を実施する。令和一桁後半を目途に完成させる予定だが、円滑な事業実施環境が整った段階で完成時期を確定する。

◆ 宮崎西環状線古城工区(宮崎土木事務所)

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和する共に、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。
 このうち古城工区は、宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ区間。整備延長は1.2㎞で、区間内には橋梁2箇所(1号橋=約130m、2号橋=約280m)やボックスカルバート2基を整備する。全体事業費は約58億円で、24年度の完成を目指す。
 08年度の着手から地元協議に時間を要したため事業が長期化している。20年度に、道路改良工事や2号橋の下部工3件(P5~P7)などを発注。21年度は、道路改良工事や法面工事、物件等調査(再算定)、工損調査等などを発注した。

◆ 学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)

 学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、国道220号南バイパスとを結ぶ延長約4.5㎞の路線。このうち、清武川を跨ぐ山下工区が唯一の未整備区間となっている。当該工区を整備することで、市内中心部へのアクセス強化や防災力の向上、都市近郊における円滑な移動の支援、交通拠点へのアクセス性の向上を図る。
 全体延長は約1.1㎞で、15年度から用地測量や函渠設計、物件調査、用地買収を進めている。工区内には(仮称)山下橋(L=395m)の整備を計画。当初計画で40億円としていた全体事業費は、推定岩盤線の位置変更に伴う橋梁基礎杭の延伸や、道路橋示方書の改定による橋梁基礎構造の変更、盛土費用の増加に伴い60億円に見直す。
 20年度末時点の進捗率は、見直し後の事業費ベースで7.4%、用地ベースで96%となる。橋梁基礎の変更による施工手間や埋蔵文化財の調査、用地取得に時間を要したため、当初計画で23年度としていた完了予定年度は29年度に延長する。
 清武川を渡河する(仮称)山下橋は、橋長395m、幅員15mのPC5径間連続箱桁。21年度は同橋の詳細設計のほか、地質調査、舗装構成検討、一部区間の道路改良工事等を発注した。

◆ 新町停車場線(新町橋)整備事業(宮崎市)

 新町停車場線は、JR清武駅から南部に位置する居住地域や工業団地、学園都市に通じる幹線道路。近隣には清武駅のほか、宮崎国際大学や宮崎学園短期大学といった教育施設、複合型の商業施設、宮崎市清武総合支所、住宅などが立地し、通勤や通学、買い物などで多くの地域住民が生活道路として利用している。
 事業区間は、宮崎市清武町船引字新川~清武町木原字新町。現在の新町橋は幅員が6mと狭く、円滑な交通や歩行者等の安全が確保できていない状況にあり、経年に伴い本体の老朽化が進んでいることから、橋梁本体の架替と周辺道路の整備を一体的に行う。
 全体の整備延長は236mで、幅員は14~16m。このうち、橋梁部分の延長は147mで、幅員は148m(車道部7m+歩道部3.5m×2箇所)とする。橋種は4径間プレビーム合成桁橋で、下部工は場所打杭のA1・A2橋台、直接基礎のP1橋脚、場所打杭のP2・P3橋脚で構成。全体事業費は約19億円を見込む。
 計画によると、21年度は既設橋梁の撤去工事及び新設橋台の基礎杭工事を吉原・九建工業・九建特定建設工事共同企業体が施工。22年度には、新橋の下部工事を行うとともに、橋桁の製作に着手する予定。23年度に上部工の架設工事等を行い、計画が順調に進んだ場合、23年度末の完成を目指している。

◆ 木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)

 木脇高岡線は、国富町と宮崎市高岡町を南北に結ぶ延長7㎞の路線。当該工区は、国富町本庄を西から東に流れる本庄川を南北に渡り、県道宮崎須木線と県道南俣宮崎線を結ぶ延長2,230m(幅員11.25m)のバイパスとなる。全体事業費は約60億円。21年度末時点の進捗率は、事業費ベースで50.5%を見込む。
 区間内の主要構造物は、(仮称)宮王丸高架橋(橋長44m)、(仮称)宮王丸橋(同244.5m)、明久川橋(同21.7m)で、明久川橋は完成済。宮王丸高架橋(上部工=PC単純ポステンT桁)は、22年9月の完成を目指して上部工が進められている。
 未着工の宮王丸橋は、22年10月着工に向けて準備が進む。上部工は鋼5径間連続非合成RC床版鈑桁橋、下部工は逆T式橋台2基と壁式橋脚4基。計画が順調に進んだ場合、28年度の事業完了を目指している。

◆ 国道448号石波工区(串間土木事務所)

 国道448号は鹿児島県指宿市を起点に、串間市、日南市を経て宮崎市に至る路線。地域振興や地域経済を支え、串間市内の観光地にアクセスする路線であるとともに、宮崎県地域防災計画の中で第2次緊急輸送道路に指定されている。
 名谷バイパスに接続する石波工区(串間市)は、異常気象時の事前通行規制区間であり、地すべり地形を成している。このため、力強い経済の浮揚、定住自立を図る地域の発展、安全・安心な暮らしの確保を支援する道づくりとして路線を整備する。
 計画延長は3.2㎞(全幅7.5m)で、山間部を貫く約2.6㎞をトンネルで整備する。終点側にあたる2工区(1,044m)は前田・坂下・山崎特定建設工事共同企業体で施工が進む。今後、起点側の1工区(1,511m)を発注する。21年度は、仮設備敷地整備工事やトンネル掘削土処理工事、土砂運搬工事、モニタリング調査等を発注した。
 県の発注見通しでは、今年度第4四半期に「国道448号石波工区トンネル工事発注資料作成業務」を発注する予定でいたが、12月時点で発注取消としている。

◆ 国道447号真幸工区(小林土木事務所)

 国道447号は、えびの市を起点に、鹿児島県伊佐市を経由して、出水市に至る幹線道路。九州縦貫自動車道と南九州西回り自動車道を最短距離で結び、広域交通ネットワークの一部を形成するとともに、南九州圏域の経済発展支援や防災機能の強化を図る。
 整備延長は約5㎞で、鹿児島県側を青木バイパス、宮崎県側を真幸バイパスとして各県が整備する。真幸バイパスの整備区間は、真幸駅前から県境までの3.2㎞で、真幸駅前から約600mを供用済。区間内の主要構造物である橋梁4橋が既に完成しており、県境までのトンネル区間(延長1,842m)の整備を行う。
 現地の地質状況の変化や有識者による検討委員会の意見、熊本地震の影響を踏まえ、トンネル支保工の変更や補助工法の追加、掘削土の処理方法の変更が必要となったため、当初計画で105億円としていた事業費に55億円を追加し、全体事業費を160億円とする。
 21年12月には、トンネル本体工850m(幅員8.5m)と坑門工1基を施工する真幸トンネル工事(1工区)の入札を執行。23年度末までに1工区の整備を完了させる。1工区の完了地点から鹿児島県境までの残る992mを2工区と位置付け、別工事として入札手続きを行い、24年度以降に着工する見通し。27年度の全線供用を目指す。

◆ 高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)

 県道高城山田線は、都城市の高城町と山田町を結ぶ延長約8㎞の主要地方道。宮崎県の地域防災計画で第2次緊急輸送道路に指定されており、防災の上でも重要な路線であるが、王子橋を含む区間内の約1.4㎞が唯一の未改良区間となっている。
 小中学校の通学路であるが当該工区に歩道はなく、王子橋は経年劣化が進むとともに、幅員が狭いことから事故の危険性も高い。周辺に工業団地等が立地していることを踏まえ、安全・安心の確保や経済の浮揚を支援する道づくりに取り組む。
 整備延長は、王子橋の架け替え(橋長257m・鋼5径間連続非合成鈑桁橋)と取付道路の整備を行う王子橋工区が0.76㎞、現道に歩道を整備する志和池工区が0.7㎞。全体事業費は約50億円を見込む。事業期間は18年度から28年度までの11年間。
 20年度は、王子橋の下部工3件(P1橋脚・P2橋脚・A2橋台)や王子橋工区の施工ヤード整備工事を発注。21年度は、同じく下部工3件(P3橋脚、P4橋脚、A1橋台)を発注した。

◆ 国道219号越野尾二之渡工区(西都土木事務所)

 国道219号は、熊本市を起点とし、湯前町や西米良村、西都市を経由して宮崎市に至る幹線道路。県内区間約74㎞のうち約13㎞が未改良区間である。幅員狭小や線形不良、急勾配等の区間を解消することで走行性を向上させるとともに、道路防災点検における要対策箇所を解消し、安全・安心な交通の確保を図る。
 当該事業では、西米良村越野尾字越野尾を起点、同越野尾字二之渡を終点とする越野尾二之渡工区の改良を行う。計画延長は1.2㎞で、計画幅員は5.5(7.0)m。区間内には、(仮称)1号橋(延長101m)を新設するほか、既設の越野尾橋(延長142m)の拡幅等を行う。全体事業費は約24億円。事業期間は20~28年度を予定。
 20年度は路側構造物設計や地質調査等、21年度は用地測量や地質調査等を発注した。

◆ 東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)

 東郷西都線は、日向市東郷町から木城町を経由して、西都市に至る延長約40㎞の路線。このうち松尾工区は、未改良区間のうち最も幅員が狭く、かつ線形不良箇所が連続している区間でもある。このため、通行車両の安全性の確保や救急医療施設へのアクセス性向上を支援する緊急輸送道路として、路線の整備を行う。
 全体の整備延長は約1,900m(幅員7m)で、このうち区間内の400mは改良済。区間内には塊所大橋(橋長130m、鋼単純ローゼ橋)やトンネル1箇所(840m)を整備する。橋梁に関しては、19~21年度に詳細設計や地質調査を行っており、22年度以降に上下部工に着手する。トンネル部分に関しては、これから設計業務に着手する。
 当初計画で約23億円としていた事業費は、路側構造物の基礎形式の変更や車両通行時の現道の安全を確保するための鉄筋挿入工の追加、労務単価・消費税の上昇に伴い約24億円を増額し、47億4,000万円とする。事業期間に関しては、時間規制による工事であることを踏まえ、当初から7年延長して26年度の完了を目指す。

◆ 国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る路線。このうち佐土の谷工区は、椎葉村と諸塚村の境界付近に位置しており、幅員狭小の隘路区間を解消し、安全で円滑な交通の確保を図るため、路線整備を進める。
 整備延長は3.4㎞(幅員7m)で、主要構造物はトンネル4箇所、橋梁6箇所を計画。概算事業費は約72億円を見込んでいたが、トンネル掘削時に土質が想定より悪いことが確認され、補助工法等に変更が生じたため、当初計画から20億円増額する。
 19年8月には諸塚側の区間の整備が完了したが、椎葉村側の用地取得で不測の日数を要したため、事業が長期化している。未発注の主要構造物は、3号トンネル(延長988m)、4号トンネル(同718m)、5号橋(PC2径間ポステン連続箱桁/L=88m)など。

◆ 国道265号十根川工区(日向土木事務所)

 国道265号は、小林市を起点とし、西米良村、椎葉村、五ヶ瀬町、熊本県山都町、高森町を経由して阿蘇市に至る総延長約200㎞の路線。このうち十根川バイパス区間は、椎葉・五ヶ瀬間における唯一の未改良区間であり、バイパス整備や現道拡幅を通じて、通行車両の安全性の確保や救急医療施設等へのアクセス性の向上を図る。
 全体の整備延長は約2,800m(幅員7m)で、このうち起点側(十根川地区)の約925mは整備済。当初計画では、区間内に橋梁やメタルロード、トンネルの整備を計画し、全体事業費を約52億円、完了予定年度を21年度としていた。
 ただ、公共工事設計労務単価の上昇や週休2日の実施に伴う必要経費として、事業費が約30億円の増額となるため、区間内の橋梁やメタルロードを路側工(補強土壁等)に、トンネル1箇所を現道拡幅に変更するなどして約7億円のコスト縮減を図り、事業費の増額を約23億円に圧縮する。
 これにより、残区間の主要構造物は、橋梁が34m・40m・85mの3箇所、トンネルが394mと248mの2箇所となる。変更後の全体事業費は75億円。21年度末時点の進捗率は、事業費ベースで31.4%を見込む。用地補償や整備計画の見直し等に時間を要したため、整備完了予定年度を32年度に延長する。

◆ 国道327号永田工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路。15年度に着手した永田工区は、日向バイパスと接続し、国道327号から東九州自動車道の日向ICを繋ぐ路線として整備する。
 整備延長は約3㎞(幅員11.5m・2車線)で、起点側の日向IC付近から西北西にルートを取り、国道327号に接続するバイパスを新設する。区間内には延長730m程度のトンネルを整備する。全体事業費は約45億円を見込む。
 19年度にトンネル詳細設計等、20年度に1号橋上部工(PCポステン単純T桁/L=36m)や2号橋(PCポステン単純T桁/L=40m)の詳細設計を発注。21年度は3号橋(PCプレテンホロー桁/L=12.6m)、道路改良工事、照明工事等を発注した。

◆ 国道388号松瀬工区(日向土木事務所)

 国道388号松瀬工区は門川町と美郷町の境から門川町庭谷に至る区間に位置。線形不良や幅員狭小による狭隘区間を解消し、救急医療など沿線地域の生活と福祉の支援、地域間交流の活性化、安全・安心な生活環境の確保を目的に路線の整備を行う。
 全体計画では、門川町庭谷から美郷町北郷黒木までの5.8㎞を整備する方針でいるが、長区間の整備により事業の長期化を防ぎ、事業効果を早期に発現させるため、門川町庭谷から町境までの3.9㎞を松瀬工区と位置付け、優先的に整備する。
 松瀬工区では、現道の拡幅改良を行いつつ、トンネル1箇所(延長210m)や橋梁2箇所(各90m)を整備する。事業期間は19年度から26年度までを予定。全体事業費は約56億円を見込む。21年度は路線測量や地質調査、道路詳細設計等を発注した。
 一方、町境から美郷町北郷黒木の1.9㎞区間は、松瀬工区の進捗状況を踏まえて事業に着手する。主要構造物として、トンネル2箇所(660m、130m)や橋梁1箇所(30m)の整備を計画しており、これを含めた路線全体の事業費を約95億円と試算する。

◆ 海岸事業・古江港海岸(北部港湾事務所)

 数十年から百数十年の頻度で発生する津波(L1津波)から県民の生命や財産を守るため、地元との合意形成が図られた古江港海岸(古江地区)の整備に取り組む。全体事業費は約45億円。事業期間は19年度~28年度を予定する。
 具体的には、既設防波堤の嵩上げ(高さ1.5m~2.5m程度、改良延長548m)を行うほか、一部区間で防波堤の新設(L=80m)を行う。防潮堤に関しても同様に、既存防潮堤の嵩上げ(L=1,380m)と新設(L=840m)を行う。
 整備に伴い、L1津波による浸水面積が整備前と比べて9割減少し、被災家屋数は0世帯(整備前172世帯)、被災事業所数は1事業所(同99事業所)となる。21年度は東側防波堤基本設計や西側防波堤実施設計、西側防波堤ブロック製作工事等を発注した。

◆ 土々呂漁港・土々呂漁港海岸(北部港湾事務所)

 L1津波による港湾施設の被災や背後地域への浸水被害を軽減させるため、延岡市の土々呂漁港で陸揚岸壁や防波堤の地震・津波対策を実施するとともに、海岸保全施設との多重防護により災害後の生産体制を維持する。また、防波堤の新設や改良・延伸も行い、港内の静穏度を確保して、安定的な水産物供給体制の確保を図る。
 当該事業では、東防波堤の新設(延長80m)や西防波堤の改良及び延伸(延長219m)、既設岸壁の改良(延長99m)を実施。防波堤及び岸壁のいずれも、L1津波への対応として粘り強い構造を採用する。概算事業費は約24億円。事業期間は20~29年度を計画する。
 一方、土々呂漁港海岸に於いては、近い将来、高確率で発生するとされている南海トラフ巨大地震で生じるL1津波から地域住民の生命・財産を守るため、護岸の改良(延長1,803m)や新設(同611m)、防潮堤の新設(同1,640m)を実施する。全体事業費は約43億円で、事業期間は21~31年度を計画する。
 具体的には、漁港事業で整備する防波堤と、海岸事業で整備する防潮堤による多重防護をイメージ。東浜周辺は防潮堤単独で整備を行い、土々呂周辺と妙見周辺、西鯛名周辺は、防波堤と防潮堤による多重防護で整備する。各施設の整備に伴い、L1津波による浸水家屋数は、整備前の740棟からゼロになるという。

◆ 一般廃棄物最終処分場建設(日向東臼杵広域連合)

 日向市と門川町、美郷町、諸塚村、椎葉村で構成する日向東臼杵広域連合は、圏域から排出される可燃ごみの焼却灰や埋立て処分する不燃物について、現在、日向市一般廃棄物最終処分場で埋立て処理を行っている。現在の処分場の埋立て終了時期が迫っていることから、新たな一般廃棄物最終処分場を建設する。
 新たに整備する次期処分場の埋立容量を約5万7,000m3、必要敷地面積を約3万m2と設定。敷地内には管理事務所や浸出水処理施設、防災調整池も整備する。概算工事費は、本体工事が約4億7,900万円、浸出水処理施設が10億3,300万円。別途、候補地選定費や設計費、測量・調査費、生活環境影響調査費が必要となる。
 現在は、用地選定検討委員会で建設候補地の絞り込み作業を進めている。事業スケジュール案では、22年度までに候補地選定と基本構想の策定を行い、23~24年度に予備調査・地域計画策定、25年度に基本設計 25~26年度に測量・地質調査等、26~27年度に実施設計、28~30年度に建設工事を行う予定でいる。

◆ 産業団地整備(延岡市)

 整備予定地は、現在のクレアパーク工業団地から国道10号延岡道路を挟んだ延岡JCT-ICの南東側。整備に伴う経済効果や他市の事例を踏まえ、クレアパーク延岡工業団地第2工区と同程度の規模とし、概算の開発区域面積を20㌶程度、分譲面積を約10㌶とする。これに基づく概算事業費を約28億円と試算する。
 企業の求める立地スピード感に対応するため、「レディメード方式(先行用地造成)」で整備を進める。事業スケジュールは、▽19~20年度=設計、用地取得・交渉▽20~21年度=開発許認可手続・文化財調査▽22~23年度=造成工事―を予定する。

◆ 竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)

 主要地方道竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(五ヶ瀬町~高千穂町)は、幅員が狭く線形不良箇所が連続しているうえ、大型車両の通行止区間となっている。このため、安全で円滑な交通や安定した輸送ルートの確保などを目的に道路改良を行う。
 整備延長は1.4㎞(幅員7m)で、山間部を切り拓く直線ルートを計画。区間内には五ヶ瀬川を渡河する(仮称)波帰之瀬橋(橋長412m・3径間連続PCラーメン箱桁橋)を整備する。全体事業費は約44億円。14年度から事業に着手した。
 20年度までに新橋の詳細設計や測量業務、道路詳細設計業務のほか、波帰之瀬橋のP1橋脚や道路改良工事、舗装工事、法面工事、波帰之瀬橋のA1橋台工事を発注。21年度は仮桟橋工事や道路改良工事、積算技術業務等を発注した。


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