日本建築学会（竹内徹会長）は、２０２４年の日本建築学会賞の受賞者を決定した。作品部門では、「Ｈｏｕｓｅ＆Ｒｅｓｔａｕｒａｎｔ」（山口県）、「岩国のアトリエ」（山口県）、「八千代市の老人デイサービスセンター『５２間の縁側』」（千葉県）の３作品を選んだ。

　Ｈｏｕｓｅ＆Ｒｅｓｔａｕｒａｎｔは、石上純也建築設計事務所の石上純也代表取締役が手掛けた。住宅とレストランを兼ねた施設で、地下にコンクリートを流して、土の中の躯体を掘り出す新たな試みが評価された。

　向山徹建築設計事務所代表の向山徹氏による岩国のアトリエは、画家のアトリエ・展示ギャラリーと住居を分棟形式で建築した。５２間の縁側は山﨑健太郎デザインワークショップの山﨑健太郎代表取締役の作品。デイサービスセンター、学童、厚生施設、ゲストハウス、カフェなどさまざまな用途で使用できる点が評価された。

　技術部門では、「外装一体型太陽電池モジュールの実用化と建物への実装」（梅田和彦大成建設技術センター都市基盤技術研究部空間研究室設備チームチームリーダーら４人）、「高強度鉄筋を緊張材とするＰＣａＰＣ梁の開発と木質材料利用への展開」（河本慎一郎大成建設設計本部室長ら４人）、「バイオミメティクス技術を活用した超撥水型枠」（辻埜真人清水建設技術研究所建設基盤技術センター革新材料グループグループ長ら４人）が受賞した。

　論文部門では、２０件の応募の中から「建築物の浸水対策案の試設計に基づくその費用対効果に関する一連の研究」（木内望国土交通省国土技術政策総合研究所国総研シニアフェロー兼都市研究部都市防災研究室主任研究官）など６件が受賞した。

　業績部門では、「大東市公民連携北条まちづくりプロジェクトｍｏｒｉｎｅｋｉ」（入江智子コーミン代表取締役ら３人）など３件を選んだ。
　２４年の日本建築学会大賞は、東京大学名誉教授の坂本功氏、東京大学名誉教授の橘秀樹氏、千葉大学名誉教授の服部岑生氏が受賞した。

　※写真は「Ｈｏｕｓｅ＆Ｒｅｓｔａｕｒａｎｔ、（ｃ）ｊｕｎｙａ．ｉｓｈｉｇａｍｉ＋ａｓｓｏｃｉａｔｅｓ」