経済調査会は、土木工事関係の工種別の受注状況と、職種別の労務需給に関する全国規模のアンケート調査を新たに行った。受注は、9工種中7工種が「やや減少」という結果になった。職種別の労務需給では、交通誘導員で特に不足感が強かった。 同会はこれまで建築・設備関係工種の労務需給を継続的に調査しており、新たに土木関係についても調査を開始した。 調査対象は全国10地区の約500事業所。調査期間は2023年1月中旬~2月中旬。受注状況については、コンクリート工事や道路工事など9工種ごとに現況を、「減少」「やや減少」「不変」「やや増加」「増加」の5段階で聞いた。職種別の労務受給は、12職種について「不足」「やや不足」「均衡」「やや緩和」「緩和」の5段階で、現況と先行きを調査。それぞれ平均値などを算出して分析した。 受注状況の全国平均では、道路工事(舗装を除く)と橋梁工事が「不変」。法面工事とコンクリート工事(鉄筋・型枠含む)、河川工事、砂防・地すべり防止・ダム工事、道路工事(舗装)、トンネル工事、植栽工事が「やや減少」だった。 地区別では、沖縄で7工種、関東甲信越で5工種が「不変」だったが、他の地区では半数以上の工種が「やや減少」となった。東北ではすべての工種が「やや減少」となり、公共工事の減少傾向が浮き彫りになった。 職種別の労務需給状況は、現状・先行きとも全国平均では12職種全てで「やや不足」となった。地区別に見ると、現状は、香川と福岡のトンネル職種のみ「不変」となった以外は「やや不足」と「不足」だった。交通誘導員は、10地区のうち6地区で「不足」となり、他の職種と比較し不足感が強かった。 これらの結果から、同会では「工事受注が減少傾向であるにも関わらず、建設労働者は不足気味の結果となっており、構造的な問題である建設現場の慢性的な人手不足が解消されていないことがうかがえる」としている。 今後、四半期ごとに調査する。