地域高規格道路で16年度から泊野道路(北薩横断道路)の整備を進めている県北薩地域振興局建設部は、北薩トンネル出水工区(2610m)の発注を年度内に予定。前回の轍(てつ)を踏まないためにも総合評価落札方式等の導入も視野に入れている。また、3号橋(鋼橋+PC橋)の上部工、1号橋や2号橋、4号橋、5号橋で下部工などを発注する。薩摩道路では、永野ICから観音滝IC間の今年度末工事完了を目指す。 北薩トンネル出水工区については、19年2月に入札を執行したが、予定価格の50%にも満たない応札となり保留。低入札価格調査に入り、その後、最低札の構成員が当時の防衛施設庁発注に係わる官製談合事件の捜査を受け、指名停止となり県でも同様の処置を行い、入札自体を無効とした経緯がある。 その結果、当初予定より2年近くの遅延が発生。これ以上の遅れを出さないためにも今回、低入札対策を盛り込む方策を模索している。今年度、契約出来れば21年度にもさつま町側(2240m)を発注したい意向だ。 主な構造物は、紫尾山を貫く北薩トンネル(4845m)と橋梁がルート内に10基、ICランプ部に1基の計11基、ICが2カ所(きららIC、泊野IC)ある。既に10号橋(22m)とランプ橋(45m)が概成している。 橋梁の概要を見ると、1号橋(70m)鋼2径間、2号橋(100m)PC3径間、3号橋(397m)は、鋼4径間(161m)とPC3径間(236m)で構成。 また、4号橋(30m)鋼橋、5号橋(126m)鋼3径間、6号橋(120m)PC3径間、8号橋(150m)PC2径間、9号橋(299m)PC7径間のほか、7号橋(26m)がある。 薩摩道路は、14年8月に供用した北薩空港道路と接続する永野ICから観音滝IC間(約2・5㎞)の早期供用を目指し、舗装や外柵、交通安全標識などの整備を予定。このほか、1、2号の跨道橋で上部工を発注する。 なお、20年度予算配分は、泊野道路が25億円(さつま町側18億円、出水市側7億円)、薩摩道路が7億円となっている。