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■登録日 2024年1月4日  


今後発注が予定されている大型土木プロジェクト


 今後発注が予定されている県内の主な土木プロジェクトについて、各事業の整備内容や進捗状況等をまとめた。
 国土交通省は「都城道路Ⅱ期」「日南・志布志道路」「油津・夏井道路」「蘇陽五ヶ瀬道路」「五ヶ瀬高千穂道路」「高千穂雲海橋道路」「日南防災(北区間)」「同(南区間)」「国道10号住吉道路」といった道路事業のほか、一級水系の河川改修事業や岩瀬ダム再生事業、大淀川水系砂防事業、細島港及び宮崎港の港湾事業を推進する。
 宮崎県は、学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)、木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)、国道447号真幸工区(小林土木事務所)、国道219号越野尾二之渡工区(西都土木事務所)、国道265号十根川工区(日向土木事務所)、国道503号飯干バイパス(前同)などの道路事業を推進する。

◆ 国道10号都城道路Ⅱ期(国土交通省)

 国道10号都城道路Ⅱ期は、高規格道路「都城志布志道路」の一部として、都城IC~志布志港を結ぶ広域ネットワークを形成するとともに、都城市街地の交通混雑緩和等を目的として、国交省が整備を進めている完成4車線の自動車専用道路。
 計画延長は、都城ICから高木IC~都北IC~乙房IC(いずれも仮称)の5.7㎞。07年度に事業化し、12年度に用地買収、16年度に都北IC~乙房ICの工事に着手した。22年度末時点の進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約76%。
 全体事業費は約356億円。23年度は、高木地区改良工や道路附属物設置工、JR跨線橋上部工、太郎坊橋床版工等を推進する。24年度の残事業費は約25億円となる見通し。計画では24年度の開通を予定している。
 都城道路を含む都城志布志道路(都城市~志布志市、延長44.3㎞)に関しては、鹿児島県が整備中の志布志IC~志布志港区間が24年度に開通する見通しを示したことから、24年度に全線が開通することとなる。

◆ 国道220号日南・志布志道路(国土交通省)

 東九州道の一部を構成する国道220号日南~志布志間は、日南市と志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。区間内の一部として、日南東郷IC~油津ICの日南区間(延長3.2㎞)と夏井IC~志布志ICの志布志区間(同3.7㎞)が16年度に事業化された。
 当初計画で約319億円としていた全体事業費は、①軟弱地盤対策工の追加②地質調査結果による構造見直し③現地状況を踏まえた仮設工法の見直し④建設発生土の受入地の変更⑤物価上昇による資機材及び労務費等の増加―に伴い、約549億円に増額する。
 区間内には、日南油津大橋(橋長383m、鋼4径間連続鋼床版箱桁橋)をはじめ、橋梁12箇所等の構造物を計画する。22年度末時点の進捗率は、用地ベースで約92%。一方、増額後の事業費ベースで約36%となる。23年度は益安地区改良工や日南東郷IC橋下部工等を推進する。
 残事業の概算数量(23年10月時点)は、▽土工約58万m3(切土15万m3、盛土43万m3外)▽軟弱地盤改良工約11万m3▽法面工約7万㎡▽管渠工271m▽函渠工377m▽排水工3,425m▽中央分離帯工6,071m▽橋梁11橋(うち100m以上5橋)▽ダイヤモンド型IC2箇所▽車道舗装約7万㎡―など。

◆ 国道220号油津・夏井道路(国土交通省)

 東九州自動車道の一部を構成する国道220号日南~志布志間のうち、日南市平野~南郷町中村甲の油津区間(延長6.4㎞)と、串間市串間~志布志市志布志町の串間・夏井区間(延長14.1㎞、県内区間は約9.7㎞)の2区間。いずれも19年度に事業化された。
 当初計画の全体事業費は約750億円だったが、奈留IC及び夏井ICをフルICに変更したことに伴い、事業費を約21億円増額して、全体事業費を約771億円に変更した。22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約15%、事業費ベースで約6%。23年度は、調査設計や西方地区ほか用地買収、平野地区改良工を推進する。
 残事業の概算数量(23年10月時点)は、▽土工約620万m3(切土251万m3、盛土324万m3外)▽法面工約59万㎡▽函渠工2,176m▽排水工1万6,307m▽中央分離帯工1万6,588m▽橋梁13橋(うち100m以上3橋)▽跨道橋10橋▽トンネル3箇所(総延長2,817m)▽ダイヤモンド型IC4箇所▽車道舗装約18万㎡―など。

◆ 国道218号蘇陽五ヶ瀬道路(国土交通省)

 蘇陽五ヶ瀬道路は、熊本県と宮崎県を結ぶ九州中央自動車道の一部を形成し、災害に強い道路ネットワークを構築するとともに、木材輸送などの地域産業の活性化や観光振興の支援を目的とする道路。20年度から事業に着手し、これまで調査設計や用地買収を進めてきたが、23年11月に五ヶ瀬区間の工事に着手した。
 整備延長は、熊本県上益城郡山都町塩原の蘇陽IC(仮称)を起点、五ヶ瀬町大字三ヶ所の五ヶ瀬東IC(仮称)を終点とする7.9㎞。主要構造物として、宮崎県側に橋梁7箇所とトンネル3箇所、熊本県側に橋梁4箇所とトンネル1箇所を整備するとともに、区間内にインターチェンジ2箇所を整備する。
 全体事業費は約378億円で、22年度末時点の進捗率は、用地ベースで約1%、事業費ベースで約5%となっている。23年度は、調査設計や三ヶ所地区用地買収、室野地区改良工を推進する。

◆ 国道218号五ヶ瀬高千穂道路(国土交通省)

 九州中央自動車道の一部を形成する国道218号五ヶ瀬高千穂道路は、五ヶ瀬東ICを起点、高千穂ICを終点とする延長9.2㎞の自動車専用道路。防災機能の強化や緊急医療活動の支援、東九州自動車道などの高速道路網と一体となった広域観光ルートの形成による観光振興支援などの効果を期待し、18年度に事業化された。
 区間内の主要構造物として、橋梁10箇所とトンネル6箇所、インターチェンジ2箇所を計画。橋梁は、100m以上の長大橋が7橋、100m未満の中小橋が3橋、跨道橋が1橋。トンネル6箇所の延長は、▽1号=2,424m▽2号=390m▽3号=1,045m▽4号=420m▽5号=480m▽6号=320m―を計画している。
 全体事業費は約559億円で、22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約32%、事業費ベースで約10%。23年1月には童里トンネル工事を発注した。23年度は、調査設計や室野地区用地買収、支障物件移設補償、西臼杵地区改良工、童里トンネル工等を推進する。

◆ 国道218号高千穂雲海橋道路(国土交通省)

 高千穂雲海橋道路は、五ヶ瀬高千穂道路の終点にあたる高千穂IC(仮称)と、高千穂日之影道路の起点にあたる雲海橋交差点を結ぶ区間。現道は線形が厳しい箇所が連続するなど走行性が低く、こうした課題箇所や事故多発箇所を回避し、災害時の支援道路として信頼性の高い高速ネットワークを確保する。
 計画延長は、高千穂町三田井~日之影町七折の3.3㎞。第1種第3級の2車線道路(設計速度80㎞/時)とし、計画交通量は1日あたり約1万1,100台を見込む。区間内に整備するトンネル部分は、本線が1,720m、避難坑が1,705m。橋梁は、中路式アーチの鋼橋1橋(橋長206m)。インターチェンジが立体Y型のハーフ1箇所。
 このほかの工事の概算数量は、▽土工=48万5,755m3(切土16万3,330m3、盛土10万7,425m3、トンネルズリ21万5,000m3)▽軟弱地盤改良=3,015m3▽法面工=1万2,966㎡▽擁壁工=1式▽管渠工=100m▽函渠工=120m▽排水工=1,242m▽車道舗装=3万8,971㎡▽交通管理施設工=1式―などを見込む。
 全体事業費は約160億円で、22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで0%、事業費ベースで約2%。23年度は、調査設計や三田井地区用地買収を推進する。

◆ 国道220号日南防災(北区間)(国土交通省)

 大雨等の異常気象時に通行規制の対象となる国道220号の宮崎市内海~日南市富土区間を、一部現道を活用してバイパスで整備する。整備延長は2.6㎞で、幅員は10.5m(2車線)。全体事業費は約144億円を見込む。22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約99%、事業費ベースで約45%となっている。
 区間内の鶯巣地区と伊比井地区に、土砂崩れの危険性が高い箇所を回避するためのトンネル(鶯巣地区871m、伊比井地区724m)を整備する。伊比井潮風トンネルを含む伊比井地区(0.9㎞)が20年4月に開通。鶯巣地区の内海トンネルは、23年10月に本体工事の入札公告を行っており、24年2月6日に開札する。
 23年度は、鶯巣地区の調査設計や用地買収、支障物件移設補償、内海地区改良工、内海トンネル工等を推進する。

◆ 国道220号日南防災(南区間)(国土交通省)

 国道220号日南防災は、降雨等による異常気象時通行規制や土砂災害時の通行止めで発生する沿線集落の孤立や迂回の解消を目的として整備するもの。災害時の救急活動等に機能する信頼性の高い道路ネットワークを形成する。
 20年度に新規事業化された南区間は、特に対策が急がれる宮浦遮断機付近から新鵜戸トンネルまでの区間(日南市宮浦字鳥越~松ケ迫)をバイパス方式で整備する。整備延長は約1.7㎞で、全体事業費は約80億円。区間内には橋梁やトンネルを整備する。
 20年11月に中心杭打ち式を開催し、路線の本格的な整備に着手した。22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約2%、事業費ベースで約5%。23年度は、調査設計や宮浦地区用地買収等を推進する。

◆ 国道10号住吉道路(国土交通省)

 宮崎市北部に位置する国道10号住吉道路は、佐土原バイパスと宮崎北バイパスに挟まれた2車線区間。現道からの交通転換による交通渋滞の緩和や事故危険区間の回避、緊急輸送道路や緊急交通路としての機能確保、医療施設や産業拠点への速達性・走行性の確保などを目的として、現道の西側に4車線のバイパスを整備する。
 計画延長は、佐土原町下那珂を起点、新名爪を終点とする6.4㎞。設計速度は80㎞/時で、計画交通量は1万9,200~2万9,200台/日を見込む。盛土・切土の土工区間が大半を占め、100m以上の鋼橋2箇所(350m、537m)、中小橋10箇所(PC橋7箇所、鋼橋3箇所)の整備も計画する。全体事業費は約490億円。
 23年度に新規事業化され、23年12月には中心杭打ち式を行った。23年度は、調査設計を推進する。

◆ 国道10号新富バイパス(国土交通省)

 新富バイパスは、交通が集中している新富町市街地から宮崎市佐土原町において、交通混雑の緩和や交通安全の確保等を図る現道の4車線化事業。計画延長は、新富町日置を起点、宮崎市佐土原町下田島を終点とする4.8㎞(幅員25m)で、このうちバイパス部は2.4㎞、現道拡幅部が2.4㎞となる。全体事業費は約195億円
 17年度までに現道拡幅部の全区間が4車線で開通し、バイパス部に関しては新富町三納代~上富田(1.7㎞)が4車線で開通済。残区間は、バイパス部の新富町日置~三納代(0.7㎞)となる。22年度末時点の事業進捗率は、用地ベースで約99%、事業費ベースで約89%。23年度は、調査設計や 三納代地区ほか用地買収を推進する。

◆ 大淀川岩瀬ダム再生(国土交通省)

 頻発する渇水や洪水が企業等の生産活動に及ぼすリスクを早期に軽減するため、既設ダムの貯水能力を最大限活用することが有効であることから、ダム再生ビジョンの内容を踏まえ、既設ダムを最大限に活用したソフト・ハード対策を戦略的・計画的に進め、利水・治水両面にわたる効果を早期に発揮させる。
 本県の岩瀬ダム再生事業(小林市・都城市)では、洪水期に於ける既設ダムの発電容量及び死水容量を洪水調節容量に振り替えることで、洪水調節容量を現行の約3,500万m3から約5,000万m3に増大させるとともに、容量振替分に対応できる放流設備の増設等を行うことにより、下流域の治水機能の向上を図る。
 全体事業費は約500億円。23年度は、周辺測量や地質調査、増設放流設備構造検討等を推進する。

◆ 大淀川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川大淀川の直轄管理区間(L=86.1㎞)に於いて、築堤や浸透対策、護岸整備等を実施するとともに、水防災意識社会再構築に向けて、越水時に堤防決壊までの時間を引き延ばすための危機管理型ハード対策等に取り組む。全体事業費は606億円。
 22年9月には、八重川右岸に位置する津屋原沼(通称=タンポリ)で進めていた約1㎞の堤防整備が完了。このほか、宮崎市街部(宮崎大橋上流部・橘橋上流部)の低水路掘削や高岡地区堤防整備、大岩田地区の遊水池整備等の整備を推進する。
 一方で、22年9月の台風14号に伴う記録的な降雨により、大淀川上流沿川で甚大な内水被害が発生したことを受けて、国土交通省と宮崎県、都城市は、大淀川上流内水対策検討会を立ち上げ、浸水被害軽減に今後の対応方針を決定した。
 ハード対策では、河川の水位低下を目的とした河道掘削等を実施。また、大淀川と萩原川が合流する大岩田地区への遊水地の整備、雨水ポンプ場、バイパス管、調整池等の雨水対策施設の整備を行うとともに、樋管ゲートの無動力化や遠隔操作、田んぼダム等に代表される流出抑制対策を検討する。

◆ 五ヶ瀬川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川五ヶ瀬川の直轄管理区間(L=28.5㎞)に於いて、河道掘削や築堤、浸透対策、堤防決壊までの時間を引き延ばす危機管理型ハード対策、五ヶ瀬川・大瀬川の分派対策、防災関連施設の整備等を実施する。全体事業費は約378億円。
 分派対策では、岩熊大橋付近~南方古墳群付近の約1.3㎞で、既設堤防を堤内地側に最大で40m程度移動させる引堤等を計画。これに伴う築堤や道路整備、用水路の付け替えに取り組む。このほか、樋門・樋管やサイフォン・分水工、河道掘削等を行う。
 当面の間(22~26年度)は、五ヶ瀬川・大瀬川の洪水適正分派対策のほか、地震・津波対策や防災関連施設、住民避難に活用できる堤防整備を進める。27年度以降も、五ヶ瀬川・大瀬川の洪水適正分派対策を継続し、五ヶ瀬川河口処理対策を実施する。

◆ 小丸川河川改修事業(国土交通省)

 一級河川小丸川の直轄管理区間(L=12.7㎞)で、河道掘削や堤防整備、内水対策、堤防強化対策等を実施する。内水対策として進めていた高鍋町北高鍋の宮越排水機場は、排水ポンプの運転に必要な準備が整ったことから、22年9月に暫定運用を開始した。
 これまでに川田地区や高城橋付近、北山地区の河道掘削、小丸川下流の堤防質的整備を実施済み。今後、概ね20年間で、蚊口浦地区や上江地区、北山地区の築堤整備、蚊口・持田地区及び小丸川中流の堤防質的整備を行う。全体事業費は約45億円を見込む。

◆ 大淀川水系直轄砂防事業(国土交通省)

 土石流や土砂・洪水氾濫が発生する危険性が高い高崎川流域及び庄内川上流域に、砂防堰堤等を整備する。1973年から高崎川流域の直轄砂防事業に着手し、2011年の新燃岳噴火で多量の降灰が堆積したことから、庄内川流域を含めた事業計画に見直した。
 22年度の事業再評価で、新燃岳噴火時の降灰を踏まえた土石流対策の整備目標を降雨確率20年に1度から100年に1度に変更。こうした変更に伴い、6施設程度を追加で整備する必要が生じ、設計基準の改定や長寿命化計画に基づく既設堰堤の改良等(スリット化)が必要となったため、従来から事業費を約91億円増額した。
 また、整備予定の6施設に於いて、詳細設計時に行った地質調査の結果、軟弱地盤対策工事を実施する必要が生じたことから、これに伴う費用として約3億円を増額。一方で、砂防堰堤等のコンクリート材料の代わりに現地発生剤を有効活用する工法の採用や現地発生の転石を利用することで、約3億円のコスト縮減を図った。
 これを踏まえた総事業費は約631億円となり、従来から約91億円の増額となる。これまでに、砂防堰堤など約70施設の整備が完了しており、今後は▽矢岳遊砂地等(7施設程度)▽蒲牟田川砂防堰堤等(2施設程度)▽荒襲谷砂防堰堤等(4施設程度)▽平山川砂防堰堤等(8施設程度)―の21施設程度の整備を計画する。

◆ 細島港外港地区防波堤整備(国土交通省)

 船舶の安全性の確保や荷役作業の稼働率向上、津波に対する浸水被害の低減を図るため、細島港の外港地区に北沖及び南沖防波堤(延長1,050m)をそれぞれ整備することにより、港内静穏度を確保する。これまでに北沖防波堤の整備が完成しており、現在は南沖防波堤(延長600m)の整備を進めている。
 ただ、細島港臨港地区で企業進出や工場増設等が進み、消波ブロック製作ヤードの確保が困難となっていることなどから、23年度までとしていた事業期間を4年延伸。また、昨今の建設資材単価等の上昇に伴い、約618億円としていた事業費は、約10億円を増額して約628億円とする。
 23年度は、本体工や上部工、被覆・根固工、消波工を推進する。令和一桁後半の完成を予定している。

◆ 細島港複合一貫輸送ターミナル整備(国土交通省)

 大阪航路と東京航路の2つのRORO航路が就航している細島港工業港地区において、岸壁の水深や延長不足に対応したターミナル整備を行い、RORO船の喫水調整の解消や大型新造船の就航を可能とすることで、背後企業の増産に伴う貨物需要に対応する。
 整備施設は、耐震岸壁(水深9m、延長240m)とふ頭用地(2.0㌶)。事業期間は22年度~26年度を計画しており、総事業費は69億円(うち港湾整備事業費57億円)を見込む。23年度は、地盤改良工や本体工を推進する。令和一桁前半の完成を予定する。
 事業の実施に伴い、地域の化学工業の振興及び化学工業品の安定的な国内供給、地域産業の振興、背後企業の新規立地・投資、トラックドライバー不足等への対応、被災時における社会・経済活動の維持、排出ガスの削減といった効果を期待する。

◆ 宮崎港東地区防波堤整備(国土交通省)

 宮崎港内の静穏度の確保及び船舶の航行安全性向上により、輸送の信頼性の向上とこれに伴う輸送・移動コストの削減を実現するとともに、農林水産業の持続的発展や津波被害軽減・海難の減少に寄与するため、防波堤(2,550m)を整備する。全体事業費は約557億円。このうち2,150mは概成しており、22年時点の事業進捗率は78%。
 残事業区間(400m)の工事実施について、地元関係者との調整に期間を要している。既存防波堤が損傷しないよう、延伸部の補強を行う必要があり、地元関係者から同意を得た。
 22年時点の残事業費(工事費)は、基礎工が31億円、本体工が35億円、上部工が5億円、消波工が24億円。23年度は、被覆・根固工や土砂撤去工を推進する。計画では、32年度の整備完了を目指す。

◆ 基幹的農業水利施設改修(農林水産省)

 国営一ツ瀬川土地改良事業で整備した基幹的農業水利施設について、2023~32年度に調整池や頭首工、取水工、揚水機場、用水路、水管理施設の改修を行う。対象区域は一ツ瀬川地区(西都市、高鍋町、新富町、木城町)。総事業費は126億円を見込む。
 主要工事計画によると、▽東原調整池改修1箇所▽瀬江川頭首工改修1箇所▽杉安取水工改修1箇所▽平原揚水機場改修1箇所▽用水路改修37・9㎞▽加圧機場改修2箇所▽水管理施設改修1式―などを予定。
 東原調整池に関しては、池底に発生する揚圧力対策として減圧井戸を設置。調整池内の点検を行い、必要に応じてドレーンの補修等を実施する。非かんがい期に工事を実施するが、工事中も農業用水が利用できるよう、左岸仮貯水池を整備する。
 瀬江川頭首工に関しては、老朽化によりコンクリート構造物でひび割れ等が発生しているため補修を行う。耐用年数を超過しているゲート等の機械・電気設備を更新するとともに、頭首工の上流部に貯砂堰堤(土砂止め)を設置する。
 杉安取水工では、コンクリート構造物の補修や取水バルブの更新を実施。平原揚水機場では、建屋及びコンクリート構造物の補修やポンプ設備の改修または更新を行う。また、特別高圧変電所の受電設備をガス絶縁密封形開閉装置に更新する。
 23年9月に公募型プロポーザル方式(ECI)で事業者を選定する「一ツ瀬川農業水利事業東原調整池他建設工事(仮称)及び一ツ瀬川農業水利事業東原調整池他建設工事に係る技術協力業務」を公告。24年2月5日に優先交渉権者の選定結果を通知する。

◆ 東九州自動車道4車線化(西日本高速道路)

 暫定2車線で供用中の東九州自動車道のうち、宮崎西IC~清武IC間の3.7㎞と、高鍋IC~西都IC間の4.7㎞を4車線へ拡幅する。このうち、宮崎西IC~清武IC間の3.7㎞に関しては、既に着工済。23年11月末時点の事業進捗率は、用地幅杭設置率、用地取得率、工事着手率のいずれも100%となっている。事業費は約150億円を見込む。
 一方、23年12月に着工式を行った高鍋IC~西都IC間の4.7㎞に関しては、現在の2車線を下り車線として使用し、上り車線の2車線を新設する。事業費は約180億円を見込む。同区間内には、新たに新富スマートインターチェンジ(仮称)も整備する。
 23年11月末時点の事業進捗率は、用地幅杭設置率、用地取得率のいずれも100%。主な事業概要は、土工延長が約5㎞、PC橋が2箇所、鋼橋が1橋。計画では、24~25年度に土工工事、26年度にPC上部工工事と鋼上部工工事を実施する予定でいる。

◆ 宮崎西環状線古城工区(宮崎土木事務所)

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和するとともに、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。
 このうち古城工区は、県道宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ区間。整備延長は1.2㎞で、幅員は車道部が13.0m(全幅24.0m)。設計速度は60㎞/時で、計画交通量は1万7,800台を見込む。区間内には橋梁2箇所とボックスカルバート2基を整備する。
 区間内に整備する橋梁は1号橋(28.4m)と2号橋の2箇所。2号橋に関しては、詳細設計時に詳細な地質調査を実施した結果、軟弱層及び支持層が想定よりも深いことが確認された。地元住民からの要望等も踏まえ、2号橋に隣接する盛土区間(L=110m)を橋梁に変更するとともに、軟弱地盤対策を追加で実施する。
 その結果、2号橋の延長は290m、形式は8径間のメタル橋となる。こうした見直しに伴い、橋梁工事費に27.5億円、軟弱地盤対策等に8.5億円を追加するとともに、設計労務単価の引き上げや資材単価の上昇、社会情勢等の変化への対応として26億円を増額し、全体事業費は当初計画から62億円増の120億円となる。
 見直し後の事業進捗率(22年12月時点)は、事業費ベースで22.5%、用地ベースで83.5%となる。用地交渉や用地買収、各種補償に時間を要したことや、全体事業費が大幅に増加することを踏まえ、事業期間を9年延長し、完了予定年度を33年度とする。23年3月に2号橋P4橋脚工事を発注したほか、23年度は物件等調査業務を発注した。

◆ 学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)

 学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、国道220号南バイパスとを結ぶ延長約4.5㎞の路線。このうち、清武川を跨ぐ山下工区が唯一の未整備区間となっている。当該工区を整備することで、市内中心部へのアクセス強化や防災力の向上、都市近郊における円滑な移動の支援、交通拠点へのアクセス性の向上を図る。
 全体延長は約1.1㎞で、15年度から用地測量や函渠設計、物件調査、用地買収を進めている。工区内には(仮称)山下橋の整備を計画。当初計画で40億円としていた全体事業費は、推定岩盤線の位置変更に伴う橋梁基礎杭の延伸や、道路橋示方書の改定による橋梁基礎構造の変更、盛土費用の増加に伴い60億円に見直した。
 橋梁基礎の変更による施工手間や埋蔵文化財の調査、用地取得に時間を要したため、当初計画で23年度としていた完了予定年度は29年度に延長する。
 清武川を渡河する(仮称)山下橋は、橋長395m、全幅14.8mのPC5径間連続箱桁。22年度にA1橋台工事を発注し、23年度にP1~P3橋脚工事を発注した。

◆ 中村木崎線国富工区(宮崎土木事務所)

 宮崎市立国富小学校付近に位置する当該工区は、周辺小中学校の通学路となっているが、自動車交通量が多いにもかかわらず、幅員の狭い歩道が片側にあるのみで、通学児童やその他の歩行者、自転車通行者の安全確保が求められている。工区内には右折レーンの幅員が狭い交差点があり、右折待ちの車両による交通渋滞も発生している。
 このため、当該工区の両側に自転車歩行者道の整備を行うとともに、交差点部の車道拡幅を実施。通勤や通学、買い物時等といった日常生活での歩行者・自転車通行者の安全性を確保するとともに、交通混雑の緩和による都市交通の円滑化を図る。
 国富工区の計画延長は800m。事業の実施に伴い、現在、当該工区の中間点付近で9.6mとなっている幅員は、整備後に一般部で16m、交差点部で19mまで広げる。全体事業費は22億円。22年度に新規着手し、30年度の事業完了を目指している。23年度は、用地測量業務や地質調査業務、歩道橋詳細設計業務、物件等調査業務を発注した。

◆ 工業団地候補地検討(宮崎市)

 市内の物流・工業拠点を中心に抽出した開発余地のある工業団地の候補地区について、適地調査を実施する。23年10月に公募型プロポーザル方式で「宮崎市工業団地適地調査業務委託」を公告し、受託候補者に日本工営都市空間を特定した。
 対象箇所は、市が指定する①佐土原町(19㌶)②旧宮崎市(13㌶、16㌶、21㌶、20㌶)③清武町(22㌶、40㌶)④田野町(63㌶)―の4エリア8地区。適地調査では、地理条件や法規制の状況、土地利用計画図、概算造成費等を調査・整理し、これらの結果を反映させたものを比較一覧表としてとりまとめ、優先順位を決定する。

◆ 木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)

 木脇高岡線は、国富町と宮崎市高岡町を南北に結ぶ延長7㎞の路線。当該工区は、国富町本庄を西から東に流れる本庄川を南北に渡り、県道宮崎須木線と県道南俣宮崎線を結ぶ延長2,230m(幅員11.25m)のバイパスとなる。全体事業費は約60億円。21年度末時点の進捗率は、事業費ベースで50.5%となっている。
 区間内の主要構造物は、(仮称)宮王丸高架橋(橋長44m)、(仮称)宮王丸橋(同246m)、明久川橋(同21.7m)で、明久川橋が既に完成済。整備を進めてきた宮王丸高架橋(上部工=PC単純ポステンT桁)は、22年9月までに上部工が完了した。
 未着工の宮王丸橋は、上部工が鋼4径間連続非合成箱桁橋で、下部工は逆T式橋台2基と壁式橋脚3基。22年度までに修正設計が完了し、23年度に下部工の初弾となるP3橋脚工事を発注した。計画が順調に進んだ場合、28年度の事業完了を目指している。

◆ 国道448号石波工区(串間土木事務所)

 国道448号は鹿児島県指宿市を起点に、串間市、日南市を経て宮崎市に至る路線。地域振興や地域経済を支え、串間市内の観光地にアクセスする路線であるとともに、宮崎県地域防災計画の中で第2次緊急輸送道路に指定されている。
 名谷バイパスに接続する石波工区(串間市)は、異常気象時の事前通行規制区間であり、地すべり地形を成している。このため、力強い経済の浮揚、定住自立を図る地域の発展、安全・安心な暮らしの確保を支援する道づくりとして整備する。
 計画延長は3.2㎞(全幅7.5m)で、山間部を貫く約2.6㎞をトンネルで整備する。終点側にあたる2工区(1,044m)は、前田・坂下・山崎特定建設工事共同企業体で施工が進む。工期は25年10月31日まで。起点側の1工区(1,511m)は、別途発注する。
 23年度は、トンネル掘削土処理工事や残土処理場整備工事、道路改良工事、舗装工事、交通安全施設工事のほか、用地測量業務や土捨場設計業務、地質調査業務を発注した。

◆ 港湾事業・油津港東地区(油津港湾事務所)

 増加する貨物や船舶の大型化に対応するため、防波堤や防波護岸、岸壁の耐震強化、泊地、埠頭用地等の整備を行う。整備中の西防波堤で事業を完了する予定だったが、22年3月に港湾計画を改定したことに伴い、岸壁延伸や防波堤の撤去・整備といったメニューを追加した。
 具体的には、東地区の既設岸壁(第9・10岸壁)の延長が不足し、船舶の大型化に対応できていないことから、水深12mの第10岸壁をさらに75m延伸。船舶の移動時に支障となる東防波堤の一部を撤去するとともに、新たに延長100mの東防波堤や水深10mの泊地(1.4㌶)、埠頭用地(0.4㌶)を整備する。
 整備メニューの追加に伴い、事業費に約71億円を追加するとともに、事業期間を6年間延長して、完了予定年度を30年度に変更する。22年度末時点の事業進捗率は、変更後の事業費ベースで87%となる。

◆ 国道447号真幸工区(小林土木事務所)

 国道447号は、えびの市を起点に、鹿児島県伊佐市を経由して、出水市に至る幹線道路。九州縦貫自動車道と南九州西回り自動車道を最短距離で結び、広域交通ネットワークの一部を形成するとともに、南九州圏域の経済発展支援や防災機能の強化を図る。
 整備延長は約5㎞で、鹿児島県側を青木バイパス、宮崎県側を真幸バイパスとして各県が整備する。真幸バイパスの整備区間は、真幸駅前から県境までの3.2㎞で、真幸駅前から約600mを供用済。区間内の主要構造物である橋梁4橋が既に完成しており、県境までのトンネル区間(延長1,842m)の整備を進める。全体事業費は160億円。
 21年12月には、トンネル本体工850m(幅員8.5m)と坑門工1基を施工する真幸トンネル工事(1工区)の入札を執行し、清水・大和開発・五幸特定建設工事共同企業体が約43億で落札した。計画では、23年度末までに1工区の整備を完了させる。
 1工区の完了地点から鹿児島県境までの残る992mを2工区と位置付け、別工事として入札手続きを行い、24年度以降に着工する見通し。27年度の全線供用を目指している。
 県は、23年11月県議会定例会に提出した補正予算で、真幸トンネル工事に係る債務負担を設定している。

◆ 高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)

 県道高城山田線は、都城市の高城町と山田町を結ぶ延長約8㎞の主要地方道。宮崎県の地域防災計画で第2次緊急輸送道路に指定されており、防災の上でも重要な路線であるが、王子橋を含む区間内の約1.4㎞が唯一の未改良区間となっている。
 小中学校の通学路であるが当該工区に歩道はなく、王子橋は経年劣化が進むとともに、幅員が狭いことから事故の危険性も高い。周辺に工業団地等が立地していることを踏まえ、安全・安心の確保や経済の浮揚を支援する道づくりに取り組む。
 整備延長は、王子橋の架け替え(橋長257m・鋼5径間連続非合成鈑桁橋)と取付道路の整備を行う王子橋工区が0.76㎞、現道に歩道を整備する志和池工区が0.7㎞。全体事業費は約50億円を見込む。事業期間は、18年度から28年度までの11年間。
 22年1月には王子橋上部工工事の入札を執行し、日橋・清本特定建設工事共同企業体が落札した。23年度は、王子橋工区の道路改良工事や護岸工事、志和池工区の歩道整備工事、事業損失調査業務を発注した。

◆ 美化C長寿命化計画(えびの市)

 美化センターの焼却施設に関して基幹的設備の改良を行い、良好な管理下で長期的に施設を稼働させる。23年5月に公募型プロポーザル方式で「美化センター長寿命化計画等作成業務委託」の事業者選定手続きを行い、東和テクノロジーに業務を委託した。
 当該業務では、①長寿命化及び大規模改修等に係る長寿命化総合計画作成業務②循環型社会形成推進地域計画作成業務③一般廃棄物(ごみ)処理基本計画見直し作成業務④財産処分承認報告書作成業務―を委託する。履行期間は24年3月31日まで。
 既存施設の概要は、▽焼却施設=ストーカー式機械化バッチ式焼却炉、施設規模70㌧/日(35㌧/16h×2炉)▽粗大ごみ処理施設=処理能力10㌧/日、粗大ごみ回転式破砕処理設備▽資源化処理施設=処理能力2.5㌧/日、びん・缶選別処理設備。場所はえびの市大字坂元1040番地で、竣工年月は1996年4月。

◆ 都城インター第3工業団地(都城市)

 都城志布志道路の整備進展などを背景に「地の利」の優位性が高まっており、好調な企業立地が継続していることから、更なる雇用の創出や地場産業の振興を図るため、アクセス性が良く、企業立地の要望が多い宮崎自動車道都城インターチェンジ周辺に新たな工業団地を整備する。
 整備規模は、都城インター工業団地(桜木地区)と同程度となる約26㌶。総事業費は約58億円を見込む。事業期間は22~29年度を計画し、29年度以降に物流業や製造業の立地を想定する。
 整備に向けて、22年9月に「都城インター第3工業団地測量調査設計業務委託」(委託期間=24年3月19日)をエイト日本技術開発に、23年6月に「都城インター第3工業団地水道関連施設設計・整備事業配水管基本・実施設計業務委託」(委託期間=24年3月31日)を日本水工設計にそれぞれ発注した。
 23年度は、各種設計や文化財発掘調査等のほか、用地取得や補償等を実施する。

◆ 川東浄水場更新(都城市)

 1966年に設置された川東浄水場(下川東3丁目)は、施設の老朽化が著しく、耐震性も不足していることから、施設を更新する計画。更新施設は、計画一日最大浄水量を1万8,436m3/日、処理方式を除鉄除マンガンろ過+塩素消毒とする。
 一方で、送水先の母智丘配水池(横市町)も、ドーム屋根の劣化が著しく、底版部の耐震性を有していないため、浄水場の更新に併せて、部分改修と耐震補強を実施する。
 更新事業に際しては、周辺環境調査や測量・地質調査などの調査業務、施設の更新及び改修等に係る設計業務、土木・建築・機械設備・電気計装設備等の建設業務を一括して発注するDBR方式を採用。23年1月に募集要項等を公表した。
 その後、設計業務と建設業務を担う複数企業で構成するグループを対象に、参加表明書及び参加資格確認申請書類を受け付けたが、技術提案書提出期限までに全ての応募者が辞退したため、選定手続きを中止した。

◆ 国道219号越野尾二之渡工区(西都土木事務所)

 国道219号は、熊本市を起点とし、湯前町や西米良村、西都市を経由して宮崎市に至る幹線道路。県内区間約74㎞のうち約13㎞が未改良区間である。幅員狭小や線形不良、急勾配等の区間を解消することで走行性を向上させるとともに、道路防災点検における要対策箇所を解消し、安全・安心な交通の確保を図る。
 当該事業では、西米良村越野尾字越野尾を起点、同越野尾字二之渡を終点とする越野尾二之渡工区の改良を行う。計画延長は1.2㎞で、計画幅員は5.5(7.0)m。区間内には、橋梁(延長120m、2径間連続PC箱桁橋)を新設するほか、既設の越野尾橋(延長142m)の拡幅等を行う。全体事業費は約24億円。事業期間は20~28年度を予定。
 23年度は、道路改良工事や用地測量修正業務、積算技術業務、物件等調査業務を発注した。第4四半期に、軽量盛土工や鉄筋挿入工を行う道路改良工事の発注を予定する。

◆ 国道219号越野尾2工区(西都土木事務所)

 国道219号は、九州縦貫自動車道と東九州自動車道を結び、広域的なネットワークを形成する道路。西米良村で生産されるスギ原木等の輸送ルートとして利用されるなど、地域産業を支える重要な路線であり、南海トラフ地震発生時の応援部隊や緊急物資輸送の移動ルートとして、道路啓開活動を支援する路線でもある。
 ただ、路線内の約9㎞が未整備であり、越野尾2工区は道路線形が悪く、幅員狭小区間が連続しているため、大型車の離合が困難な状況にある。台風等に伴う道路斜面の崩壊といった災害も発生しており、今後も異常気象時には交通途絶の危険性が懸念されることから、安全で安心な交通の確保と物流の効率化を目的に、道路改良を実施する。
 計画延長は、整備中の越野尾工区と越野尾二之渡工区に挟まれた約1.3㎞(幅員7m)で、構造規格は3種4級、計画交通量は1日あたり1,300台、設計速度は時速50㎞とする。区間内には、橋長164m、同92m、同216mの橋梁3箇所のほか、トンネル1箇所(374m)を整備する。全体事業費は78億円。事業期間は23~32年度を予定する。
 23年度は、路線測量業務や道路詳細設計業務、橋梁予備設計業務(橋長164m)を発注した。第4四半期に地質調査業務を発注する予定でいる。

◆ 東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)

 東郷西都線は、日向市東郷町から木城町を経由して、西都市に至る延長約40㎞の路線。このうち松尾工区は、未改良区間のうち最も幅員が狭く、かつ線形不良箇所が連続している区間でもある。このため、通行車両の安全性の確保や救急医療施設へのアクセス性向上を支援する緊急輸送道路として路線の整備を行う。
 全体の整備延長は約1.9㎞(幅員7m)で、このうち400mは改良済。区間内には塊所大橋(橋長130m、鋼単純ローゼ橋)やトンネル1箇所(840m)を整備する。橋梁に関しては、19~21年度に詳細設計や地質調査を行っており、今後、上下部工に着手する。トンネル部分に関しても、これから設計業務に着手する。
 当初計画で約23億円としていた事業費は、路側構造物の基礎形式の変更や車両通行時の現道の安全を確保するための鉄筋挿入工の追加等に伴い約24億円を増額し、約47億円に変更した。事業期間も当初計画から7年延伸して、26年度の完了を目指す。

◆ 国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)

 国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る幹線道路。このうち、佐土の谷工区は、椎葉村や諸塚村等の中山間地域と地方生活圏中心都市である日向市を結ぶ「命の道」と位置付けているが、現道は幅員が狭い上に線形が悪く、大型車の離合が困難な状況にある。
 また、防災点検要対策箇所が点在し、異常気象時には災害による交通途絶が発生している。このため、幅員狭小及び線形不良区間の是正を図るとともに、災害の危険性を解消して安全で円滑な交通を確保し、孤立化解消や緊急輸送道路としての機能を保持するため、09年に当該区間の整備に着手した。
 全体の整備延長は3.4㎞で、幅員は5.5(7.0)mの2車線。主要構造物は、トンネル4箇所と橋梁6箇所を計画し、トンネルに関しては1号・2号トンネルが完成済。概算事業費は92億円を見込む。19年8月には諸塚側の整備が完了したが、椎葉村側の用地取得で日数を要したため、事業が長期化している。
 3号トンネルに関しては、終点側のトンネル本体工(535m)と坑門工1基を1工区として、矢野・九建・湯川特定建設工事共同企業体が施工中。工期は25年3月25日までを予定する。起点側の残区間(465m)は、1工区の完成後に別工事として発注する予定でいる。

◆ 国道265号十根川工区(日向土木事務所)

 国道265号は、小林市を起点とし、西米良村、椎葉村、五ヶ瀬町、熊本県山都町、高森町を経由して阿蘇市に至る総延長約200㎞の路線。このうち十根川バイパス区間は、椎葉・五ヶ瀬間における唯一の未改良区間であり、バイパス整備や現道拡幅を通じて、通行車両の安全性の確保や救急医療施設等へのアクセス性の向上を図る。
 全体の整備延長は約2.8㎞(幅員7m)で、このうち起点側(十根川地区)の約925mは整備済。当初計画では、全体事業費を約52億円としていたが、設計労務単価の上昇や週休2日の実施に伴い、事業費が大幅に増加することから、区間内のトンネルを現道拡幅に変更するなどしてコスト縮減を図り、事業費の増額を約23億円に圧縮する。
 これにより、残区間の主要構造物は、橋梁が34m・40m・85mの3箇所、トンネルが394mと248mの2箇所となる。変更後の全体事業費は75億円。用地補償や整備計画の見直し等に時間を要したため、整備完了予定年度を32年度に延伸する。
 23年10月には、条件付一般競争で2号トンネル工事(延長248m)を公告し、12月13日に開札したが、応札した5者がいずれも低入札価格調査を辞退したため、不落となった。再公告など今後の取り扱いは現時点で未定。

◆ 国道327号永田工区(日向土木事務所)

 国道327号は、日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路。2015年度に着手した永田工区は、日向バイパスと接続し、国道327号から東九州自動車道の日向ICを繋ぐ路線として整備する。
 整備延長は約3㎞(幅員11.5m・2車線)で、起点側の日向IC付近から西北西にルートを取り、国道327号に接続するバイパスを新設する。区間内には延長730m程度のトンネルを整備する予定。全体事業費は約45億円を見込む。
 22年7月には、バイパスの一部である平岩秋留~大斉(約1.2㎞)が開通した。残りの平岩大斉~日向市塩見永田(1・6㎞)の開通時期は未定としている。
 これまでにトンネル詳細設計や1号橋上部工、2号橋詳細設計(PCポステン単純T桁/L=40m)、3号橋(PCプレテンホロー桁/L=12.6m)等を実施。23年度は、道路改良工事や水文調査業務を発注した。

◆ 国道388号松瀬工区(日向土木事務所)

 国道388号松瀬工区は、門川町と美郷町の境から門川町庭谷に至る区間に位置。線形不良や幅員狭小による狭隘区間を解消し、救急医療など沿線地域の生活と福祉の支援、地域間交流の活性化、安全・安心な生活環境の確保を目的に路線の整備を行う。
 全体計画では、門川町庭谷から美郷町北郷黒木までの5.8㎞を整備する予定でいるが、長区間の整備による事業の長期化を防ぎ、事業効果を早期に発現させるため、門川町庭谷から町境までの3.9㎞を松瀬工区と位置付け、優先的に整備する。
 松瀬工区では、現道の拡幅改良を行いつつ、トンネル1箇所(延長210m)や橋梁2箇所(各90m)を整備する。事業期間は19年度から26年度までを予定。全体事業費は約56億円を見込む。23年度は、道路改良工事や舗装工事、交通安全施設工事のほか、橋梁詳細設計業務や路側構造物検討設計業務等を発注した。
 第4四半期には、土砂処分場地形測量業務や土砂処分場設計業務、地質調査業務の発注を予定している。
 一方、町境から美郷町北郷黒木の1.9㎞区間は、松瀬工区の進捗状況を踏まえて事業に着手する。主要構造物として、トンネル2箇所(660m、130m)や橋梁1箇所(30m)の整備を計画しており、これを含めた路線全体の事業費を約95億円と試算する。

◆ 国道503号飯干バイパス(日向土木事務所)

 一般国道503号は、熊本県高森町を起点に、本県の五ヶ瀬町、諸塚村を経て日向市に至る幹線道路。このうち、五ヶ瀬町三ケ所~諸塚村七ツ山を結ぶ現道部は、道路幅員が狭く、連結トレーラーによる木材の大量輸送が困難な状況にある。また、道路構造に課題があるなど走行性が悪く、緊急搬送や防災の面でも大きな課題を抱える。
 こうした現状を踏まえ、当該事業では、未改良区間の線形不良や幅員狭小による隘路区間を解消し、速達性や定時性、走行性の向上を図る。当該バイパスの整備等によって、物流の安定輸送による生産性の増加や取引先拡充による市場性の向上を図るとともに、災害時に於いても安全・安心で信頼性の高いルートを形成する。
 飯干バイパスの計画延長は約5㎞で、幅員は5.5(7.0)m。計画交通量は1,500台/日、構造規格は3種4級、設計速度は時速50㎞とする。主要構造物として、延長2,950mのトンネル1箇所と橋梁3箇所(1号橋=37m、2号橋=35m、3号橋=59m)を計画。全体事業費は約148億円を見込み、31年度の事業完了を目指す。
 22年度に路線測量業務を発注し、23年度は地質調査業務を発注した。第4四半期には、用地測量業務や道路構造物設計業務の発注を予定している。

◆ 国道503号北枌工区(日向土木事務所)

 国道503号北枌(ほくそぎ)工区は、幅員が狭いうえに線形が悪く、大型車の離合が困難な状況にあり、異常気象時に交通途絶の危険性が懸念される諸塚村七ツ山地区の現道を拡幅整備することで、安全で円滑な交通を確保し、地域の孤立解消や緊急輸送道路としての機能を保持する。
 北枌工区の計画延長は0.7㎞。幅員は7m(車道部5m)の2車線道路で、構造規格を3種4級、設計速度を時速40㎞、1日あたりの計画交通量を約920台と設定する。全体事業費は13.6億円。事業期間は、23~29年度を計画する。
 当該区間の整備によって、森林資源が豊富な諸塚村からの木材輸送の円滑化を図り、地域の産業振興を支援するとともに、高度な医療施設までの救急搬送時間を短縮することで、患者への負担軽減や広域的な搬送体制の確保を図る。また、災害時における安全・安心な交通を確保し、信頼性の高い道路ネットワークを形成する。
 23年度は、路線測量業務や道路詳細設計業務、地質調査業務を発注した。

◆ 権現原浄水場更新(日向市)

 1969年建設の権現原浄水場は、複数回の拡張を経て現在に至っているが、既に老朽化している施設もあり、今後、施設単独または短期的な修繕等では対応が困難になることが予想される。このため市は、20年度に更新整備に対する基本方針案を策定。21年度には浄水処理方式や施設計画などを整理し、更新計画を策定した。
 22年4月には、公募型プロポーザル方式で事業者を選定する「権現原浄水場更新基本設計及び民間活力導入可能性調査業務委託」を公告。日水コンに委託した。
 業務では、更新後の浄水処理方式を決定し、詳細設計を行うために必要な調査及び留意事項を抽出するための基本設計(設計対象水量=2万6,000m3/日)を行う。また、官民連携手法の導入について検討し、従来型事業手法を含めた最適な事業手法を選定するために必要な調査及び検討を行う。履行期間は23年10月31日までだった。

◆ 海岸事業・古江港海岸(北部港湾事務所)

 数十年から百数十年の頻度で発生する津波(L1津波)から県民の生命や財産を守るため、地元との合意形成が図られた古江港海岸(延岡市古江地区)を整備する。全体事業費は約45億円。事業期間は19年度~28年度を予定する。
 具体的には、既設防波堤の嵩上げ(高さ1.5m~2.5m程度、改良延長548m)を行うほか、一部区間で防波堤の新設(L=80m)を行う。防潮堤に関しても同様に、既存防潮堤の嵩上げ(L=1,380m)と新設(L=840m)を行う。
 これまでに、東側防波堤の性能照査や西側防波堤(L=150m)の実施設計、西側防波堤ブロック製作工事、東側防波堤の津波対策基本設計を発注。23年度は、東側防波堤(2-1工区L=131m、2-2工区L=60m)の実施設計を発注した。

◆ 土々呂漁港・土々呂漁港海岸(北部港湾事務所)

 L1津波による被害を軽減させるため、延岡市の土々呂漁港で陸揚岸壁や防波堤の地震・津波対策を実施するとともに、海岸保全施設との多重防護により災害後の生産体制を維持する。防波堤の新設や改良・延伸も行い、港内の静穏度を確保する。
 東防波堤の新設(延長80m)や西防波堤の改良及び延伸(延長219m)、既設岸壁の改良(延長99m)を実施。防波堤と岸壁のいずれも、L1津波への対応として、粘り強い構造を採用する。概算事業費は約24億円。事業期間は20~29年度とする。
 一方、土々呂漁港海岸では、南海トラフ巨大地震で生じるL1津波から住民の生命・財産を守るため、護岸の改良(延長1,803m)や新設(同611m)、防潮堤の新設(同1,640m)を行う。全体事業費は約43億円で、事業期間は21~31年度を計画。
 具体的には、漁港事業で整備する防波堤と、海岸事業で整備する防潮堤による多重防護をイメージ。東浜周辺は防潮堤単独で整備を行い、土々呂周辺と妙見周辺、西鯛名周辺は、防波堤と防潮堤による多重防護で整備する。
 22年度に、東防波堤の地形測量や基本設計、地質調査、海岸護岸の基本設計、東浜地区の事業損失事前調査等を発注。23年度は、東浜地区の護岸工事のほか、海岸護岸基本設計や地質調査、東浜地区盛土動態観測業務を発注した。

◆ 一般廃棄物最終処分場建設(日向東臼杵広域連合)

 既設処分場の埋立て終了時期が迫っていることから、新たな処分場を建設する計画。建設候補地に関しては、複数の候補地について環境、防災、適性、経済性の観点から評価を行い、地域の理解が得られている美郷町西郷田代花水流地区を最終候補地とした。
 23年3月に決定した基本構想では、次期広域最終処分場の施設規模を設定。廃棄物量を4万800m3、覆土量を1万6,300m3とし、全体の埋立容量を5万7,100m3と設定した。埋立期間は、既存処分場の埋め立てが完了する31年度から15年間。
 施設形式に関しては、従来のオープン型と、埋立地上部を屋根等の被覆施設で覆う被覆型の2分類について、メリットやデメリット、概算費用等を比較。23年度に降水量や地質に関する予備調査を行い、より詳細な検討を行ったうえで決定する。オープン型とした場合の概算事業費は約54億円を見込む。
 事業手法に関しては、施設の安全性について住民の理解が得やすいことや、最終処分場の整備は土木工事が主であり、民設によるコスト削減効果が限定的であることから、「公設公営」を基本とする。
 事業スケジュールによると、23年度に予備調査を実施するとともに、地元と建設に係る基本同意を行う。24年度に基本計画、24~25年度に基本設計、26~27年度に実施設計を行い、28~30年度に建設工事を実施。31年度の稼働開始を目指す。

◆ 街路事業安賀多通線平原工区(延岡土木事務所)

 安賀多通線平原工区(延岡市)は、南延岡駅周辺の当該区間に於いて慢性的に交通渋滞が発生していることや、小学校の通学路に指定されているものの、一部歩道が狭い区間があり、十分な安全が確保されていないことから、車道の4車線化による道路拡幅と両側歩道の拡幅整備を行う。
 対象区間は、同じく街路事業として事業中の構口工区の終点から平原2丁目交差点付近までの約800m。計画幅員は現況の約2倍となる25mで、車道を3m×5車線(右折レーン含む)、停車帯を1.5m×2箇所、両側歩道を3.5m×2箇所とする。全体事業費は約38億円を見込む。事業期間は23年度~32年度を計画する。
 23年度は、路線測量業務や道路詳細設計業務を発注した。

◆ 竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)

 主要地方道竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区は、大分県竹田市の国道57号から五ヶ瀬町の国道218号にいたる竹田五ヶ瀬線のうち、急勾配の線形不良や幅員狭小が連続する未改良区間についてバイパス整備を行うもの。安全で安心な交通網の整備を行うことで、観光周遊ルートの形成や安定した輸送ルートの確保を支援する。
 計画延長は1,420mで、計画幅員(全幅)は7m。区間内には、橋長412m、全幅6.5mの波帰之瀬橋(仮称)を整備する。上部工の形式は3径間連続PCラーメン箱桁橋で、下部工は逆T式橋台2基、P1・P2橋脚(いずれも杭基礎)。22年度までにA1橋台とP1橋脚が完成し、24年度を目途にP2橋脚工事が進む。
 橋梁部に関しては、基礎の支持層が当初想定よりも深く、杭長の見直しが必要となったことや、湧水等による現場条件の変更に伴い、これに必要な事業費として6.3億円を増額する。また、近年の労務単価や資材単価の上昇分として約19.7億円を増額し、事業採択時に44億円としていた全体事業費を70億円に見直す。
 23年度末時点に於ける事業進捗率は、用地ベースで100%、見直し後の事業費ベースで56%となる見込み。20年9月の台風10号による路肩崩壊で、長期にわたり通行止めが生じたことから、事業が長期化している。24年度以降、残るA2橋台工事や道路改良工事などに順次着手し、29年度の事業完了を目指す。


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