東九州自動車道は、福岡県北九州から大分県大分市、延岡市、宮崎市、日南市等を経由して鹿児島県鹿児島市に至る延長436kmの自動車専用道路。県内路線については、国土交通省および西日本高速道路により各区間の整備が進められている。県内整備区間187㎞のうち、昨年までに▽県境~北浦IC間(4.5㎞)▽須美江IC~日向IC間(43.8㎞)▽都農IC~清武南IC間(53.1㎞)―の計101.4㎞が供用を開始。今年度内に北浦~須美江間(6.4㎞)や日向IC~都農IC間(20.0㎞)が開通する予定である。
■東九州道・蒲江~北川間(国交省整備区間)
東九州道・蒲江~北川間は、大分県の蒲江ICから延岡市の北川ICまでの26.2㎞(本県区間は16.5㎞)を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、本県区間は国土交通省延岡河川国道事務所が整備を所管する。 本県区間内には6つの橋梁と7つのトンネルを整備する計画であり、いずれも本体工は発注済み。大分県区間を含む25年4月時点の用地進捗率は100%、事業進捗率は約90%。今年度内に開通を予定する北浦~須美江間(6.4㎞)を除く全ての区間で供用を開始している。 25年度は北浦~須美江間において、水文調査や支障物件移設補償などの業務のほか、熊野江第一トンネル工事や熊野江第一・第二トンネル照明設備設置工事、熊野江地区舗装工事、熊野江地区道路付属物工事―などを推進している。 蒲江~北川間における主要構造物は以下のとおり(①延長②施工業者、▼は本体・上部工発注済み)。 *トンネル ▼陣が峰トンネル=①2,751m②南新設(1,504m)は前田建設工業、北新設(1,247m)は間組 ▼北浦トンネル=①2,417m②南新設(1,347m)はフジタ、北新設(1,070m)は熊谷組 ▼熊野江第一トンネル=①832m②前田建設工業 ▼熊野江第二トンネル=①1,084m②五洋建設 ▼須美江トンネル=①1,297m②間組 ▼家田小麦山トンネル=①495m②東洋建設 ▼家田トンネル=①199m②西武建設 *橋梁 ▼北浦高架橋=①37m(PC単純コンポ桁)②日本ピーエス ▼熊野江川橋=①38m(PC単純コンポ桁)②日本ピーエス ▼本谷橋=①82m(PC2径間連結少主桁)②オリエンタル白石 ▼うつぎ橋=①172m(PC4径間連結T桁)②オリエンタル白石 ▼大門橋=①174m(PC5径間連結少主桁)②日本ピーエス ▼きたがわ大橋=①河川部301m(PC3径間連続ラーメン箱桁)+陸上部360m(鋼8径間連続鈑桁)②河川部は錢高組、陸上部は日鉄トピーブリッジ
■東九州道・日向~都農間(NEXCO整備区間)
東九州道・日向~都農間(延長20.0㎞)は、NEXCO整備区間における唯一の未開通区間。並行する一般国道10号等と一体的に機能することで、地域間交通の円滑化に寄与するとともに、災害時の代替路として効率的で信頼性の高いネットワークの充実を図る。 路線の整備は有料道路方式としてNEXCO西日本が担当する。25年11月末現在における事業進捗率は、用地幅杭設置率100%、用地取得率100%、工事着手率100%。平成25年度中の供用開始を目指し、区間内の整備が進められている。 25年度は同区間において、構造物本体工事や舗装工事などのほか、通信線路工事、造園工事、トンネル非常用設備工事、遠方監視制御設備工事、トンネル等の管理施設新築工事、日向IC管理施設新築工事―などを推進している。 日向~都農間における主要構造物は以下のとおり(①延長②施工業者、▼は本体・上部工発注済み)。 *トンネル ▼本村トンネル=①901m②奥村組土木興業 ▼飯谷第一トンネル=①351m②奥村組 ▼飯谷第二トンネル=①723m②奥村組 ▼鹿場第一トンネル=①923m②前田・旭JV ▼鹿場第二トンネル=①217m②前田・旭JV ▼落鹿トンネル=①764m②前田建設工業 *橋梁 ▼赤岩川橋=①471m(鋼9径間連続2主鈑桁橋)②横河工事 ▼馬溝川橋=①185m(鋼4径間連続2主鈑桁橋)②日立造船 ▼石田川橋=①300m(鋼6径間連続2主鈑桁橋)②宇部興産機械 ▼砂田川橋=①323m(鋼5径間連続2主鈑桁橋)②日立造船 ▼耳川橋=①424m(PC5径間連続波形鋼板ウェブ箱桁橋)②川田建設 ▼石並川橋=①242m(PC3径間連続箱桁橋)②ピーエス三菱 ▼水無川橋=①71m(PRC2径間連結合成桁橋)②ピーエス三菱 ▼田久保川橋=①712m(PC10径間連続箱桁橋)②三井住友建設 ▼征矢原川橋=①244m(PC3径間連続箱桁橋)②三井住友建設 ▼前田川橋=①91m(PRC3径間連続2主鈑桁橋)②川田建設 ▼下原川橋=①279m(PRC9径間連続2主鈑桁橋)②川田建設 ▼心見川橋=①83m(鋼2径間連続2主鈑桁橋)②瀧上工業 ▼都農川橋=①291m(鋼6径間連続2主鈑桁橋)②瀧上工業 ▼上町川橋=①445m(PRC11径間連続箱桁橋)②オリエンタル白石
■東九州道・清武~北郷間(国交省整備区間)
東九州道・清武~北郷間は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、国土交通省宮崎河川国道事務所が整備を所管する。 25年4月時点の用地進捗率は約99%、事業進捗率は約47%。昨年3月には清武~清武南間(1.2㎞)が開通したが、清武南~北郷間(17.8㎞)については、完成に向けた円滑な事業実施環境が整った段階で供用時期を確定することとし、現時点では定めていない。 区間内の主要構造物として橋梁14橋とトンネル12箇所を計画。25年度は、北河内二号橋上部工工事(242m)を発注したほか、丸目地区改良外工事、赤木地区改良外工事、寺山地区改良外工事、猪八重橋下部工工事などを発注している。 また、区間内に整備する▽椿山トンネル(1,100m)▽二之河内トンネル(192m)▽寺山第一トンネル(135m)―の3箇所に関しては、昨年10月にトンネル本体工事の入札を一般競争で告示しており、今月21日に開札する予定。 掘削中に地表面のひび割れや地すべりが確認され、掘削工事を停止していた芳ノ元トンネル(全長1,880m、残工事延長1,558m)に関しては、トンネル形状の変更や対策工事を加えたうえで、残工事のうち751mの新設工事を五洋建設が進めている。 清武~北郷間における主要構造物は以下のとおり(①延長②施工業者、▼は本体・上部工発注済み)。 *トンネル ▼丸目トンネル=①1,117m②三井住友建設・不動建設JV ▽芳ノ元トンネル=①1,880m(うち1,073mを発注済み)②五洋建設 ▽九平トンネル=①420m ▽椿山トンネル=①1,100m②公告済、1月21日開札 ▼北河内トンネル=①441m②青木あすなろ建設 ▼猪八重トンネル=①4,854m②南新設(2,056m)は間・安藤JV、北新設(1,690m)は前田建設工業 ▽二之河内トンネル=①192m②公告済、1月21日開札 ▽寺山第一トンネル=①135m②公告済、1月21日開札 ▼寺山第二トンネル=①159m②戸田建設 ▼寺山第三トンネル=①135m②りんかい日産建設 ▼年見第一トンネル=①140m②梅林建設 ▼年見第二トンネル=①259m②前田建設工業 *橋梁 ▽水無川橋=①337m(鋼8径間連続鈑桁) ▽赤木橋=①371m(PC4径間連続ラーメン箱桁) ▼鏡州橋=①48m(鋼単純鈑桁)②大島造船所 ▽鏡洲川橋=①337m(PC4径間連続ラーメン箱桁) ▼家一郷川橋=①99m(鋼2径間連続鈑桁)②栗本橋梁エンジニアリング ▽北河内一号橋=①32m(鋼単純鈑桁) ▼北河内二号橋=①242m(PC7径間連結合成T桁橋)②日本ピーエス ▽猪八重橋=①158m(PCTラーメン箱桁橋) ▽二之河内橋=①262m(鋼6径間連続鈑桁) ▽寺山一号橋=①129m(鋼3径間連続鈑桁) ▼寺山二号橋=①180m(鋼5径間連続鈑桁)②ハルテック ▼年見一号橋=①77m(鋼2径間連続鈑桁)②大島造船所 ▽広渡川橋=①175m(PC3径間連続箱桁)
■東九州道・北郷~日南間(国交省整備区間)
東九州道・北郷~日南間は、日南市の北郷ICから日南ICまでの9㎞を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、国土交通省宮崎河川国道事務所が整備を所管する。区間内には橋梁6橋が整備される。 25年4月時点の用地進捗率は約98%、事業進捗率は約51%。国土交通省九州地方整備局が昨年6月に示した管内道路事業における開通見通しによると、平成29年度の供用開始を目指して整備を進めていくこととしている。 25年度は同区間において、北郷・日南地区の水文調査や大藤地区外の用地買収(6,800m2)を推進するとともに、郷之原・日南地区改良工事(1,300m)、大藤地区改良工事(800m)、松永地区改良工事(500m)などを推進する。 北郷~日南間における主要構造物は以下のとおり(①延長②施工業者、▼は本体・上部工発注済み)。 *橋梁 ▼郷之原橋=①34m(PC単純コンポ桁)②極東工業 ▼広渡川二号橋=①265m(PC3径間連続箱桁)②間組 ▽山澄小谷川橋=①88m(PC3径間連結コンポ桁) ▼恵良川橋=①68m(鋼単純箱桁)②宮地鐵工所 ▼内之野川橋=①96m(PC2径間連続箱桁橋)②川田建設 ▼福谷川橋=①57m(鋼単純箱桁)②宇野ブリッジ
■東九州道・日南~志布志間
東九州道・日南~志布志間は、日南市の日南ICと鹿児島県志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。日南ICから県境までにおける本県区間の延長は約32㎞で、東九州自動車道において唯一の未事業化区間となっている。 今年度に個別路線の事業化に向けて計画段階評価を進めるための調査対象区間に選定されたことから、都道府県や学識経験者等の第三者で構成する委員会、地域住民等から計画に対する意見を聴いた上で、概略ルートや構造などの対応方針を決定する。 現計画では「津波浸水区域を回避しつつ沿岸地域へのアクセス性に配慮する」との基本方針のもと、災害対応やアクセス性、経済性などを考慮し、①全線バイパス案②バイパス+一部現道活用案③現道改良案―の3ルート帯案を対応方針として示している。 このうち、全線を別線とする①は、時速80㌔で走行できる自動車専用道路。一部現道を活用し①より早期に整備の実現を図る②は、前述の自動車専用道路と一般道約7㎞で構成する。③は全線で既存の現道を改良し活用する。
【おわり】
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