土木の分野で働く女性を主人公にした少女漫画『ドボジョ』の編集担当者を囲んでのトークサロンが3月27日、東京・四谷の土木学会で行われた。参加した建設会社などで働く女性たちは、「現場に女性用の長靴や作業服もなく、サイズが合わなかった」「日焼けしてヘルメットの顎ひも痕が残る『ヘルメット焼け』が嫌だった」などと、自ら体験した本物のドボジョ(土木系女子)の世界を語った。 また、建設業で働く女性は出産を機に辞めることが多いことについて、ある参加者は「土木だけの問題ではなく、多くの働く女性は子育てをどう乗り越えようか悩んでいる」と話すとともに、『ドボジョ』の主人公が出産と子育てを乗り越える続編を出してほしいと語った。 『ドボジョ』は講談社の月刊誌「Kiss」に連載された漫画で、作者は松本小夢さん。建設機械に憧れ、衝動的に建設会社に就職した主人公の奮闘を描いており、単行本(全3巻)が昨年からことし2月にかけてに刊行された。 今回、ゲストとして参加した講談社の編集担当者は、漫画の企画や連載中の打ち合わせの様子など作品づくりの舞台裏を紹介。囲いの中の工事現場は、どんな作業をしているのか分からないことばかりで、建設関連企業に取材しても、なかなかリアルな声が聞けなかったと明かした。それだけに、参加者たちの体験談には「こういう話が聞きたかった」と話した。 抽選で選ばれた参加者3人に作者のサインが入った『ドボジョ』単行本3巻セットなどが贈られた。このほかサプライズゲストとして漫画家の一条ゆかりさんも登場し、会場を盛り上げた。